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2014年6月12日(木)

きょうの潮流

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 米領サモアのサッカー代表チームは長い間、“世界最弱”といわれてきました。2001年のワールドカップ(W杯)予選で記録した0対31の歴史的大敗。公式戦30戦全敗。世界ランキングは10年以上も最下位でした▼希望をなくしかけた選手たち。しかし熱意あるオランダ人監督の指導のもと、つらい過去を乗り越えます。そして、歓喜の瞬間が―。先月、そんなドキュメンタリー映画「ネクスト・ゴール」を見ました▼サッカーへの尽きない愛と情熱。姿や形は違えども、いまや200をこえる国と地域の選手たちが、それぞれの思いをこめてW杯の舞台をめざしています▼多くの選手が果たせなかった夢。それをも背負った32チームがきょうから熱戦をくりひろげます。開催地ブラジルにとっても、64年ぶりの自国開催への思いはつよいものがあるでしょう。いまでも語り継がれる負の記憶を引きずっているからです▼1950年のW杯。サッカー熱高まる地元ブラジルは、引き分けでも優勝という状況でウルグアイとの最終戦に臨みます。試合後半に先制点。誰もが初優勝を疑いません。しかし残り10分、まさかの逆転負けを喫します▼悲しみに包まれた巨大なマラカナン・スタジアム。国全体に喪失感がひろがりました。悲劇には、もう一つのエピソードがあります。それは、20万もの観衆が涙を流しながらも、ウルグアイの選手に拍手を送ったのです(『マラカナンの悲劇』)。フェアな心と寛容さ。それもまた、W杯に欠かせないものです。


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