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2014年6月10日(火)

大学自治破壊は財界の要求

競争力強化の人材育成

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 国会で審議中の学校教育法と国立大学法人法の改悪案。大学の自治を壊す法案が、だれの求めに応えて出てきたものなのか、改めてみてみると―。


 「当初は省令で明らかにすることを考えていたが、さまざまな意見をうかがうなかで、法律を改正することが最も重要であるとの認識に至った」

 下村博文文科相は6日の衆院文部科学委員会でこうのべ、法律改定を提案した経過について語りました。

 大学の運営について中央教育審議会の大学分科会では、教授会権限の制限を盛り込みましたが、省令と法律のどちらで行うかで意見が分かれました。まとめでは「所要の法令改正を行う」とするにとどまりました。

 それは、「自分で決めていくのが基本的な大学のあり方だ」「法律で教授会はこういう仕事以外はやってはいけないと書くことは、大学を大学でなくしてしまう」など法改正に反対する強い意見が相次いだからです。

 これに対して、法改定を強く求めたのが財界出身者らです。

教授会の役割

 経済同友会終身幹事の北城恪太郎・国際基督教大学理事長は「省令の改正でなく法律を変えて、教授会は決議機関ではないということを明確にしていただいた方が大きな意識改革になる」(昨年12月13日)と再三、主張。中教審とりまとめ案が示された同24日にも、「下村大臣の力で改正をぜひ実現していただきたい」と執ように法改定を求めました。

 北城氏は財界出身の私立大学理事長らと自民党の会合に出席し、法律改定を要求。こうした動きに押されて出された改定案には、大学の重要事項を審議する権限を教授会から奪い、学長の諮問機関に変質させることなどが盛り込まれました。

 この間、財界は競争力強化に貢献する「優秀な人材」を生み出すよう求め、教授会の弱体化と「学長独裁」を求めてきました。

 「教授会で議論する『重要事項』の範囲を学校教育法に限定的なかたちで明記」(経団連・2013年12月)「教授会は、教育・研究に関する学長の諮問機関とする」(経済同友会・12年3月)―。

 さらに経団連は、「世界最高の『研究重点型大学』を形成する必要がある」として「大学の数や規模を見直し、再編・統合を」と主張。「競争原理を導入」するとして運営費交付金の配分見直しや、授業料も上限規制を見直して自由化するよう求めています。

「学長独裁」も

 すでに安倍内閣は、国立大学の再編・統合を視野に入れた「機能別分化」や「年俸制導入」を押しつけています。今回の法案で「学長独裁」をつくり、政府・財界が示す方向に沿った「大学改革」を推進しようというのです。国民のための大学を政府・財界いいなりに変える危険なねらいです。(深山直人)


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