2014年6月7日(土)
クリミア併合後初会談
ロシア大統領、英仏首脳と
ウクライナ問題
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【パリ=島崎桂】ノルマンディー上陸作戦70周年記念式典(6日)参加のためフランス入りしたロシアのプーチン大統領は5日、パリでキャメロン英首相、オランド仏大統領と相次いで会談し、ウクライナの緊張緩和策を話し合いました。欧米諸国の首脳とプーチン氏との会談は、3月のロシアによるクリミア半島併合後初めて。
シャルル・ドゴール空港で行われたプーチン氏との会談を終えたキャメロン氏は、英BBCに対し「(ウクライナで)大統領選挙が実施された今こそ、平和で安定したウクライナを実現する好機だという明解で断固としたメッセージを伴う会談だった」と指摘。キャメロン氏は同国の緊張緩和に向け、プーチン氏に対しポロシェンコ次期大統領が率いるウクライナ新政権を承認し、協力するよう求めたとみられます。
また、ロシア政府がウクライナ東部の親ロシア派を支援しているとの立場から「今日の状況は受け入れがたく、変化が必要だ」と強調。「武器と人の(ロシア・ウクライナ間の)国境通過を止める必要がある」と述べました。
ウクライナ政府は同日、同国境の管理を一部喪失したとして、治安維持部隊の増強を発表しました。
一方、プーチン氏は4日、仏メディアに対し、ウクライナ国内のロシア軍の存在を改めて否定しました。
オランド氏とプーチン氏の会談は仏大統領府で行われ、仏ロ両国の外相も参加しました。会談は約1時間半にわたったものの、内容は明らかにされていません。
オランド氏はかねてから、ノルマンディーでの式典を機会にウクライナをめぐって悪化した各国の関係改善を求めていました。オランド氏は式典にウクライナのポロシェンコ次期大統領も招待していることから、プーチン氏に対してポロシェンコ氏との会談を提案したとみられます。
これまでのところ、プーチン、ポロシェンコ両氏の会談は発表されていませんが、両氏ともに会談の可能性を否定していません。