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2014年6月4日(水)

医療・介護総合法案

小池議員の代表質問

参院本会議

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 2日の参院本会議で日本共産党の小池晃議員が行った医療・介護総合法案に対する代表質問(大要)は次の通りです。


 消費税増税が国民の暮らしに重くのしかかっています。一方で大規模な給付減と負担増がねらわれています。「増税は社会保障のため」というごまかしはやめるべきです。

 本法案は、負担増にとどまらず、介護保険給付の対象を制限し、病院のベッド削減を強制的に進めるものです。国民を公的保険による医療・介護サービスから排除することになるのではありませんか。

 第一に、要支援者の訪問・通所介護を保険給付から外し、市町村の地域支援事業に置きかえるとしています。

 要支援者の給付費を3〜4%の伸びに抑えこむため、総予算の圧縮、サービス単価や人件費の切り下げ、利用者の負担増を想定しています。

 210の地方議会で異議を唱える意見書が採択され、「市町村に受け皿はなく、サービスに地域格差が生じる」「要支援者の重症化が進み、保険財政を圧迫する」などの声があふれています。自治体からこれだけ反発が出ているという一点をとっても、本法案は撤回し、一から見直すべきではありませんか。

 第二に、特養老人ホームへの入所を原則として要介護3以上に限定することです。特養待機者は52万人。うち17万8千人は「要介護1・2」ですが、これらの人の入所が閉ざされてしまいます。

 特養待機者が激増している原因は、高齢者の貧困の拡大があります。ところが、政府は特養の整備・増設を抑制し、有料老人ホームやサービス付き高齢者住宅など低所得者が利用できない施設を推進してきました。劣悪な条件の「お泊まりデイサービス」や、簡易宿泊所を「漂流」する事態が広がっています。人生の終末期にこんな悲惨なくらししか提供できない、そんな国でいいのでしょうか。特養の抜本的増設へ、国が舵(かじ)を切るべきです。

 第三に、利用料の2割負担の導入、低収入で介護施設に入所する人にたいする「補足給付」の縮小など、在宅でも施設でも利用料の大幅な負担増を盛り込んでいることです。

 政府が検討する2割負担導入のラインは、医療保険の「現役並み所得者」の所得水準よりもはるかに低いもので、高齢者全体の2割に及びます。要介護の高齢者は、利用料のほかにも医療費の窓口負担や通院費、ショートステイの食費など自己負担を強いられています。年金削減の被害も直撃しています。負担増がサービス利用の抑制と重症化を引き起こし、さらなる保険財政の悪化を招くという認識はないのですか。

 第四に、都道府県主導で病床の再編・削減を推進する仕組みが盛り込まれています。わが党議員の質問に対し厚労省は、都道府県の病床計画に病院が従わない場合、医療機関名の公表、各種補助金や融資対象からの除外などの制裁措置をとるとし、「懐に武器を忍ばせている」と答弁しました。医療機関に脅しをかけ、いざというときには強権を発動する宣言であり、国民の医療機関を選択する権利を奪うことになります。日本の医療制度の根本原則であるフリーアクセスに対する重大な挑戦ではありませんか。

 ほかにも、医療事故を調査する第三者組織の創設、看護師による特定医行為の代替など制度改変が盛り込まれています。これらは別々の法案として慎重に審議すべきものです。

 総理は、社会保障の基本理念として「自助自立」と「家族の支え」、「地域の助け合い」を強調してきました。憲法25条は生存権を保障し、社会保障増進の責務は国にあると定めています。社会保障の基本は「自助自立」でなく公的責任であり、世界人権宣言などにうたわれている世界の社会保障制度の根幹をなす理念なのではありませんか。

 本法案の内容は、憲法25条で定められた、社会保障に対する国の責任を投げすてるものにほかなりません。

 日本共産党は、社会保障の充実、応能負担の原則に立った税・財政の改革、国民の所得を増やす経済改革を一体に行うという抜本的対案を掲げています。日本の医療、介護の危機を一層深刻にする本法案は廃案とし、社会保障・財政・経済の未来を切り開く真の改革の実現のために奮闘する決意です。


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