2014年6月3日(火)
イラク テロ死者799人
5月 今年最悪の事態に
【ベイルート=小泉大介】国連イラク支援団(UNAMI)は1日、イラクで5月にテロや暴力で死亡した国民が799人に達し、今年に入って最悪の事態となったと発表しました。4月30日の総選挙後も「宗派対立」にもとづく治安悪化に歯止めがかかっていないことが浮き彫りとなりました。
今年、死者が最も多かったのは4月の750人でしたが、5月はそれを超えました。ただ、UNAMIが発表した4、5月の死者には、政府軍とイスラム武装勢力の戦闘が最も激しい西部アンバル州の犠牲者は含まれていないため、実際には両月とも1000人を超える人々が犠牲になったとみられます。
総選挙ではマリキ首相率いるイスラム教シーア派会派「法治国家連合」が第1勢力を確保することが確実となっていますが、連立協議は難航が予想されています。UNAMIのムラデノフ代表は1日の声明で、「テロと暴力が、引き続きイラクを激しく打ちのめしていることは遺憾極まりない」と述べるとともに、政治指導者が団結して状況打開に取り組むよう訴えました。