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2014年6月3日(火)

きょうの潮流

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 古代ギリシャの“医聖”とよばれたヒポクラテスの肖像画が、日本で江戸時代に描かれていた―。東京・上野の国立科学博物館で催されている「医は仁術」展で興味をそそられました▼江戸後期、外国人居住区の長崎・出島の記録絵師だった川原慶賀の作。長く鎖国をしていた日本ですが、外科中心の西洋医術は、長崎ルートなどを通じ一定普及したそうです。会場には、江戸時代の手術器具や解剖図も展示され、医療技術の高さがうかがえます▼著名な医史学者が監修した同展の説明文にはこうあります。「東や西から伝えられた医術が、江戸時代という平和な世のなかで融合し…日本独自の発展を遂げた…平和であったが故に、安定した社会が築かれ…(為政者は)人々が安心して暮らせるよう努めることが使命であった」▼武士が支配する階級社会の時代。医療を受けることができたのは一部の人たちでしたが、幕府も不十分ながら策を講じました。8代将軍・徳川吉宗のときには、江戸に小石川養生所を設立。薬を買えない貧困層への無料治療を始めています▼いまの安倍政権のありようと、つい比べてしまいます。今国会での成立を狙う医療・介護総合法案では、入院ベッドの大幅削減などで患者を病院から追い出そうとしているのです▼国民の命を守るより、「戦争する国」づくりに熱心な為政者は、やがて歴史でどう語られるのか。医学が着実な進歩をとげたように、社会の流れも必ず前進します。もちろん「国民が主人公」という流れが。


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