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2014年6月2日(月)

NHK「日曜討論」 小池副委員長の発言

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 日本共産党の小池晃副委員長は1日のNHK番組「日曜討論」に出席し、景気や雇用問題などについて各党の政策責任者と討論しました。


維新の分裂

国民の政治不信あおる政界再編

 番組ではまず、日本維新の会の分裂問題について各党が見解を述べました。

 維新の浅田均政調会長は「政界再編に関する路線対立が原因になり分かれることになった」と釈明。結いの党の柿沢未途政調会長は「橋下(徹)共同代表のグループと早期の合流に向けて協議を進めていきたい」と述べました。

 小池氏は次のように語りました。

 小池 選挙のあと、「看板」が平気で変わって、くっついたり離れたりしている。政界再編という話があるが、国民からみれば政治不信をあおるようになると思います。

 国家観という話がありましたが、私たちから見れば「自主憲法制定」も「改憲」も同じです。逆に、国家観が違うというなら、なぜ今まで一緒にやっていたのかと思います。

 いずれにしても、私たちは自民党ときっぱり対決し、対案を示し共同も広げ、今までどおり元気に頑張っていきたいと思います。

景気

大企業のもうけが労働者に回らない病理続く

 景気の現状について議論に。自民党の高市早苗政調会長は、有効求人倍率が1・08倍となったことをあげ、4月からの消費税増税も「影響は多少」と発言。他党からは、数字は改善しているように見えるが、非正規雇用が増え、正規雇用が減っていることや雇用者報酬が下がり続けているなどの問題が指摘されました。公明党の石井啓一政調会長は消費税増税の影響はなかったと述べ、雇用についても「潮目が変わった」とし、低賃金や非正規中心だった雇用は改善に向かっているとの認識を示しました。

 小池氏は「与党の認識は極めて甘い」と指摘しました。

 小池 消費税の影響は多少とおっしゃったけれど、4月の家計調査で消費支出は4・6%減少しています。97年の増税時はマイナス1%だったので、はるかに深刻な事態になっています。ベア(賃上げ)が行われたと言いますけれども、トヨタ自動車が0・8%、マツダで0・4%と報道されていて、増税分にほとんど及ばないわけです。

 雇用の潮目が変わったとおっしゃるが、4月の労働力調査では、正社員は40万人減って、非正規57万人増えています。まったく(これまでと)同じようなトレンド(傾向)で、非正規雇用が主流なんです。その結果、家計調査でもサラリーマンの実収入は昨年に比べて、7・1%減少しています。

 これで(政府は消費税増税の影響は)想定の範囲内とおっしゃるのでしょうか。

 一方で、大企業の内部留保は、この1年だけで20兆円増えています。結局、大企業の業績改善が労働者や中小企業に回っていかないという、この日本経済の病理はまったく変わらずに今も続いています。それがさらに深刻になっている事態だと思います。

配偶者控除見直し

増税より子育て支援を

 政府が検討している、妻の年収が103万円以下であれば夫の所得税が軽くなる「配偶者控除」の見直しが議論になり、高市氏は「女性が働けない阻害要因を取り除いていかないといけない」と、女性の就労支援策かのように述べました。各党からは、子育てや介護など社会保障と一体で考える必要があるなどの指摘がありました。

 小池氏は次のように語りました。

 小池 「北風と太陽」という話がありますけど、増税という北風を吹かせて女性を働かせるというもの。本当に必要なのは「太陽」です。子育て支援を本気でやることが必要です。

 (配偶者控除見直しを)女性の就労対策と言いますが、これは“増税”なんです。

 この議論がなぜ出てきたかというと、法人税を今年1・5兆円減税し、骨太の方針で、来年以降、税率を10%、財界は下げると求めています。そうすると5兆円が必要になり、財源をどこから出してくるのかということで出てきている議論だと思います。

 配偶者控除が廃止されると、年収500万円で7万円の増税になり、消費税増税が加わり、すでに年少扶養控除(廃止)の影響もありますから全部で年額25万円の増税になります。物価上昇と消費税増税で大変なところに、配偶者控除(廃止)で追い打ちをかけて、女性にもっと働けということです。

 これが女性の就労対策なんですか。安倍政権の言う成長戦略なんですか。私は違うと思います。子育て支援のために、認可保育所をつくる、あるいは長時間労働を是正することに真剣に取り組むべきだと思います。

残業代ゼロ

「限定する」というが歯止めなし

 最後に、安倍首相が検討を指示した労働時間の規制を撤廃する制度(残業代ゼロ)の導入を狙っている問題について議論になりました。

 高市氏は、第1次安倍政権で導入を狙ったものの「残業代ゼロ」と批判を浴びて失敗した「ホワイトカラー・エグゼンプション」制度と同様なのかと問われ、「全く違う。今回は本人の希望でそういう働き方をしたい場合」と語り、業種を限定して導入する考えを示しました。

 石井氏は「高度な専門職に限定することが必要」と述べ、維新、みんなの党も制度導入に理解を示しました。

 民主党の桜井充政調会長は「過労死が増える可能性がある」と語りました。

 小池氏は次のように指摘しました。

 小池 労働時間に応じて賃金を支払うというのが大原則です。時間ではなく成果に応じた賃金となれば、時間の制約がなくなり成果をあげるまで残業代ゼロで働かされることになります。

 高市さんから、「ホワイトカラー・エグゼンプションと違う」「限定する」という話がありましたが、「本人が希望すれば」と言うが、会社との関係で、それを断れるでしょうか。それをしっかり守るのが労働法制です。こんなことは、何の歯止めにもなりません。

 財界代表は「幹部候補生に限る」と言っていますが、ブラック企業は、新入職員をみんな「幹部候補生だ」と言い、「死ぬまで働け」と追い込むのです。集団的自衛権の議論のように「限定する」というが、まったく歯止めになりません。

 今でさえサービス残業がはびこっています。今の法律があっても、労働時間規制はあってなきがごときなわけです。そんな時にこの規制まで外し、穴を開けたら、過労死防止法は全会派一致で、国会で通そうとしているときに、それとまったく逆行するようなことをやってしまうことになります。断固反対です。

 高市氏は「残業代ゼロではない。残業代込みということ」などとごまかそうとしました。小池氏は「労働時間規制がなくなるというのは、残業代という概念そのものがなくなる。残業代がゼロになるのです」と批判しました。


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