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2014年5月31日(土)

日本原電 発電ゼロでも販売先5電力から1242億円

全取締役の総年収4億4200万円 電気料で消費者負担

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 原発専業の日本原子力発電(日本原電)は、2013年度も発電量が2年連続でゼロだったのに、「販売先」の東京電力など電力5社から計1242億円もの「基本料金」を受け取っていることが、2014年3月期連結決算でわかりました。結果として電気料金として消費者の負担につながるだけに、批判の声があがっています。


 日本原電が保有している原発は、原子力規制委員会に再稼働の前提となる安全審査を20日に申請した東海第2原発(茨城県東海村)、直下に活断層の存在が指摘されている敦賀原発1、2号機(福井県敦賀市)の計3基。東日本大震災後、いずれも稼働を停止し、発電量ゼロの状態が続いています。

ハードルは高く

 ところが、日本原電の大株主でもある東京、関西、中部、北陸、東北の5電力が日本原電から電気を買う契約を結び、購入電力がゼロでも、原発の維持や管理、再稼働に向けた安全対策費などを負担する「基本料金」を支払っているのです。

 基本料金は、前年より17・7%、267億円減ったものの、1242億7100万円にのぼっています。

 日本原電の浜田康男社長は21日、「経営状況は非常に苦しく、原発再稼働を目指す」と強調しましたが、再稼働のめどは依然として立たないのが現実です。しかも、関西電力大飯原発の再稼働差し止めを命じた福井地裁判決(21日)が、原発について、他の技術とは異なる「本質的な危険性」を繰り返し強調したように再稼働へのハードルはさらに高くなりました。

 しかし、電気事業連合会の八木誠会長(関西電力社長)は「基本的には(日本原電の支援)継続の検討をしていく」と説明しており、15年3月期に5電力から受け取る基本料金は、14年3月期より減少するものの約1100億円と見込まれています。

 日本原電から「受電」する5電力のうち、東京、関西、中部、東北の4社は震災後、原発が稼働せず、経営が悪化し、電気料金を引き上げており、発電しない日本原電への支援を継続することは、消費者から批判が上がるのは当然です。

電力から天下り

 一方、日本原電の役員は、浜田社長が元関西電力副社長など、13人の常勤役員中、3人が電力会社の天下り。八木氏はじめ、東京電力の広瀬直己社長、東北、北陸、中部の各電力会長、電源開発社長の6人が非常勤取締役に就任しています。

 有価証券報告書によると、全取締役の年間報酬総額は4億4200万円。非常勤役員の報酬は1000万円以下とされ、常勤役員13人の平均は3000万円弱になるというべらぼうぶりです。

 この高額報酬も国民が支払う電気料金です。原発再稼働にしがみつく「原発利益共同体」の癒着の構造にメスを入れる必要があります。


 日本原電 東京電力、関西電力など電力9社が出資・設立した企業で、原発の運転を行うことによって発電した電力を電力会社に販売する卸電気事業者です。

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