2014年5月22日(木)
憲法に照らし根本的欠陥
改憲手続き法改定案 仁比氏が批判
参院憲法審
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自民、民主などが共同提出した改憲手続き法(国民投票法)改定案の質疑が21日、参院憲法審査会で始まりました。日本共産党の仁比聡平議員は、同改定案が憲法に照らして根本的欠陥をもつ現行法の問題をそのままにし、かえって逆行する中身となっており、「背理に背理を重ねるものだ」と批判しました。
仁比氏は、同改定案発議者が「憲法改正には時間がかかる」と解釈改憲を容認しながら、「憲法改正の動きにブレーキがかかってはならない」と、ともかく改憲手続きを動かそうとしている姿勢をただしました。
発議者の船田元議員(自民党)は「憲法の重大な事項を国会の議論だけで変更することには疑問がある」といいながら、「総選挙で解釈改憲の是非を問うことを国民投票にかえて採用することは荒唐無稽ではない」と弁明しました。
仁比氏が「憲法の根幹をなす9条を解釈で変えられるとなれば、権力への歯止めがなくなる」と批判すると、発議者はまともに答えられませんでした。
仁比氏は、同改定案が現行法の根本的欠陥を放置したまま、改憲手続きを動かそうとしていると批判。選挙権年齢などを18歳へ引き下げることを棚上げにしていることや、国民投票運動の自由に新たな規制を加えていることについて、「立法時の発議者の意思にも反する」と指摘しました。
「組織」による国民投票運動への規制を検討条項に盛り込んでいる改定案では、労働組合やNPO(非政府組織)、宗教団体の国民投票運動も「組織」として規制対象にしようとしていることが、仁比氏の追及で明らかになりました。