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2014年5月19日(月)

きょうの潮流

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 NHKの朝のドラマ「花子とアン」のタイトルバックに出てくるアンと緑の美しい風景は、モンゴメリの小説『赤毛のアン』の舞台、カナダの東海岸の湾に浮かぶ平和な島です▼カナダは100年前の1914年、第1次世界大戦が始まると、自動的に参戦しました。イギリスから戦争の遂行について相談がなく、首相ですら新聞記事以上のことをほとんど知らなかったという、大英帝国の自治植民地でした▼人口800万人の国で、18歳以上の男性63万人を遠くヨーロッパの西部戦線に送り、塹壕(ざんごう)の中で6万人余を戦死させました。4年3カ月続いた戦争に巻き込まれるのが、村岡花子が訳した『アンの娘リラ』(新潮文庫)の青年たちです▼小説は、アンの娘リラの視線で描かれ、ドイツ軍とたたかう連合軍の勝利を祈り、赤十字少女団の活動に参加し、戦場の兄たちや友人、恋人を思い、大きく揺れ動きます。母のアンは、詩人の心をもつ次男を亡くし、悲しみにくれます▼戦争が終わり、自ら志願しながら負傷して帰ってきたアンの長男に「僕は戦争というものを十分見てきたから、戦争など起こり得ない世界をつくらなければ」と、著者は語らせています▼村岡花子は本の「解説」で、「著者モンゴメリ夫人の戦争に対する憤りや平和愛好の熱情を、私たちは読みとりたいのです」と書いています。1000万人超の戦死者を出した第1次大戦の直後に出版された作品に、第2次大戦を経験した自身の思いを大きく重ね合わせているようです。


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