「しんぶん赤旗」
日本共産党
メール

申し込み記者募集・見学会主張とコラム電話相談キーワードPRグッズ
日本共産党しんぶん赤旗前頁に戻る

2014年5月12日(月)

きょうの潮流

このエントリーをはてなブックマークに追加 Yahoo!ブックマークに登録 mixiチェック

 「おい、憲法って、どうやってつくるんだ?」。「さあ、知らない。それどこの料理」。「ほら、憲法何条とかっていう…」「お父さん、それ漢方よ」。そんな夫婦の掛け合いから、とある島の独立劇が始まります▼東京・新宿で上演中の青年劇場「みすてられた島」。戦争が終わって、突然本土から独立を言い渡された島の有力者たちが憲法づくりに着手します。主権は、戦争は、軍隊は―。白熱していく議論の末に島民の選んだ道とは▼じつは、この劇にはモデルがありました。敗戦の翌年につくられた伊豆大島の暫定憲法です。当時、GHQの覚書で伊豆諸島が日本から「行政分離」されることに。混乱のなか、伊豆大島の島民たちが約1カ月をかけて条文を練り上げました▼大島憲法は前文で「旺盛なる道義の心に徹し万邦和平の一端を負荷しここに島民相互厳に誓う」と平和主義をうたい、主権は島民にあると記しています。草案づくりには、大工で共産党員だった雨宮政次郎さんもかかわっていました▼GHQの指令が改まり、幻に終わった大島憲法。しかし、この国の形が権力の暴走によって変えられようとしているいま、戦争の教訓から知恵を絞り、平和の尊さや主権在民を盛り込んだ意義に注目したい▼舞台は自分たちの生活をめぐって、島のあり方も問います。一人ひとりのくらしや願いを大切にする社会や、生き方とは。「みすてられた島」にならないためには―。それは、わたしたち自身が問い直してきたことにつながります。


見本紙 購読 ページの上にもどる
日本共産党 (c)日本共産党中央委員会 ご利用にあたって