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2014年5月8日(木)

16年ぶり党議席奪還

政策と計画」で支部一変 コミバス実現、党員倍加

奈良・東吉野支部

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 奈良県東吉野村は、三重県と境を接する人口2千人余の、清流と深い山々に囲まれた村です。東吉野支部は4月27日投開票の村議選で、前回惜敗した九里幸雄(くり・ゆきお)さん(71)を、大激戦のなか7位(定数8)で当選させ、16年ぶりに党の議席を回復しました。(畑野孝明)


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 連休中の午後、高見川沿いに建つ九里さんの自宅に、支部のメンバーが集まりました。

公約どおり「議会報告」

 「選挙ではコミバスの九里≠ニ評判になった」と話すのは、村議を8期務めた支部の長老、桝本實雄さん(89)です。地元のバス会社が撤退した村にコミバス=コミュニティーバスの運行をと4年前に公約に掲げ、運動の末に12年秋に実現。その後も「この地域であと70b延長すれば利用できる人が増える」「年末年始にも運行し帰省に使えるように」などと緻密な運動を続けました。行政に要求するだけでなく、支部のメンバーが病院まで送迎して、村民に喜ばれました。

 4年前の公約で、実行したことがもう一つ。村議会の様子をニュースにして村民に知らせることです。九里さんと支部長の上野勝治さん(73)は毎回の議会を傍聴し、「民報」を発行し続けました。

 「政策と計画」にもとづいて要求実現と共に党勢拡大に粘り強くとりくみ、4年間で党員は2倍近くになりました。日刊紙読者は1・3倍、日曜版読者は、4倍化し有権者比で3%を超えました。

 九里さんは、4年前の選挙時にすでに67歳。子どもの山村留学を機に村に引っ越したものの、大阪まで通勤し、職場の党支部で活動する生活が長く、村での知名度は低い状況でした。「家族のことも、自分の健康も不安でした」が、繰り返し要請を受け、自分たち家族を温かく迎えてくれた村の役に立ちたい≠ニ立候補を決意したのは告示1週間前でした。その思いは、14票差で落選しても4年間、変わることはありませんでした。

候補の決意に支部が応える

 前回の村議選後に東吉野支部に党の籍を移した九里さんの決意に支部のメンバーが応え、「地域に責任のもてる支部」をめざす活動に魂が入りました。

 年に数回開く程度だった支部会議は毎週開催に。上野支部長は毎回レジュメを準備し、運営もおしゃべりと学習を大事にするように変えました。

 「きょうはどんなことがあった?」と尋ねて全員が自分の身近な話をしやすいように心がけ、会議がにぎやかになり、その中で村民の生活実態や要求も見えてきました。

 「綱領教室」「古典教室」は、月2回、支部会議を使って学習を続け、両方を1年半かけて終了しました。DVD視聴2時間に質疑・応答という、たっぷり時間をかけたやり方です。「時間はかかったけれど、党への確信が強まった。困難があってもくじけない力がついた」と九里さん。

 富永やす代さん(83)は3年前に入党した支部の新顔です。「支部会議にくると勉強になる。毎回メモをとって学習し、共産党のことがだんだん分かってきた」と、村役場職員の経歴を生かして次々と対話し、党への支持や「赤旗」読者を広げています。

 今回の村議選では「決めたことはしっかりやりぬく」と支部長も一目を置く浦西武(いさむ)さん(68)や、粘り強く活動する男性支部員(72)も支部の中心として奮闘。党大会前の「大運動」で入党した夫妻も勇気をふりしぼって知り合いに支持を広げるなど、地縁・血縁の強い圧力を乗り越える奮闘が勝利へと結びつきました。

若い人含めた結びつき広げ

 宣伝や署名、党勢拡大も計画的にとりくんできました。署名用紙を持った訪問行動を毎月実施して結びつきを広げ、ポスター掲示板は50カ所になりました。後援会でもちつきや海釣りなどの行事も始め、「自分たちがやりたいことだから、楽しい。村民との結びつきも深まる」と支部員にも好評です。

 日刊紙はこれまで夕方に配達していました。他の支部の協力もあって村内にポストおろしをしてもらうことができ、支部員3人が分担して4月から早朝配達を開始。「これからは日刊紙も増やせる」と支部に新たな意欲が生まれています。

 九里さんは、連休中も選挙結果を知らせながら村民と対話をすすめ、日曜版読者2人をふやしました。支持を訴えた若い人から「周りにも支持を広げた」とうれしい報告もありました。「村は60代以上が過半数で、過疎と高齢化が進んでいます。でも、若い人たちを含めた村の人の声を大切にして、いっしょに考えれば、必ず知恵は出てくると思います」。「世代的継承」も視野に入れた、支部の新しい挑戦が始まっています。


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