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2014年5月6日(火)

きょうの潮流

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 森繁久彌さんが手にしていたドラマの台本。わきからのぞくと、セリフの横に記号のようなしるしが鉛筆でいっぱい書き込まれていました。セリフを発する際の息づかい、抑揚だったのでしょうか。「台本は命です」と森繁さん▼「夢千代日記」などを演出したのはNHKの深町幸男ディレクターでした。台本の初めのページに作品に臨む気持ちを記して、出演者やスタッフの顔合わせの席で披露しました▼時代を映してきたテレビ。始まって61年です。初期は生放送でした。ビデオテープが出現しても高価。番組保存用にまではまわってこなかった。1980年代以前の映像はあまり残っていません。脚本・台本が当時の放送の記憶を語る貴重な資料となります▼脚本を残し、後に伝えようとする取り組みが2005年、本格的にスタートします。提案したのは脚本家の市川森一さん。03年に国会で訴えました。「ドラマは電波の藻くずと消えていく。そのよすがとして残る台本を保管できないでしょうか」と▼市川さんが11年に亡くなった後は山田太一さんらが引き継ぎ、「日本脚本アーカイブズ推進コンソーシアム」を設立。5万冊に及ぶ台本を収集します▼その半数が東京の国会図書館に収蔵され、4月から公開されています。劣化しているためか、調査・研究に限って閲覧できます。筆者が目にしたのは山口百恵さん主演の「赤い絆」(78年)。将来はデジタル化して、だれでも見られるようにしたい。アーカイブズの構想は広がります。


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