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2014年5月2日(金)

金融取引税の先行導入

英不服申し立て却下

欧州司法裁

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 【パリ=島崎桂】欧州司法裁判所は30日、一部の欧州諸国による金融取引税の先行導入に対する英国の不服申し立てを退けました。

 金融取引税は、金融危機や食料価格の高騰につながる過剰な投機を抑制するため、株式や債券、デリバティブ(金融派生商品)の取引に課税する税制。ドイツ、フランスなど欧州連合(EU)加盟の28カ国中11カ国は、EU法が定める「強化された協力」を設置し、先行導入を目指しています。

 世界有数の金融街・シティーを有する英国は、金融取引税が非導入国にも影響を与え、自国の競争力を奪うと主張。同税導入のための「強化された協力」設置に不服を申し立てていました。

 欧州司法裁は判決理由として「英国の不服申し立ては、将来的な金融取引税の内容に対するものであり、強化された協力の設置に対するものではない」と指摘しました。

 今回の判決は金融取引税の詳細が定まっていないことを前提にしたもので、詳細確定後、英国が再び法的措置を講じることは必至。英財務省報道官は「(同税の)非導入国を守ることは可能だ」と述べ、引き続き反対する姿勢を示しました。

 サパン仏財務相は同日のテレビ番組で「経済成長が回復し始める中、重要なのは投機を回避し、狂った金融を抑制することだ」と強調。5月6日のEU財務相会議で、金融取引税の導入に向けた「決定的な」提案を行うと述べました。


 強化された協力 EUの基本条約の一つ、アムステルダム条約(1999年発効)に盛り込まれた条項。EU加盟9カ国以上の合意で成立し、法整備や社会制度改革において、他の加盟国とは異なる枠組みでの協力促進が可能となります。


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