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2014年4月24日(木)

自殺 いじめが原因

海自「たちかぜ」訴訟 東京高裁 組織的隠ぺいを断罪

賠償額 一審から増額

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 海上自衛隊横須賀基地の護衛艦「たちかぜ」の1等海士=当時(21)=が2004年に自殺に追い込まれたのは先輩隊員(2等海曹)による暴行・恐喝などのいじめが原因として、両親が国と元上司に約1億3000万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決が23日、東京高裁でありました。鈴木健太裁判長はいじめと自殺の因果関係を認め、国、先輩隊員に計440万円の賠償を命じた一審横浜地裁判決を変更し、賠償額を計約7330万円に増額しました。

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写真

(写真)亡き1等海士の遺影を胸に勝利判決をかみしめる原告の母親=23日、東京高裁前

 判決は、国による「艦内生活実態アンケート」と聞き取り文書の隠匿についても、国側が「廃棄済み」として隠匿したことを認定し、違法性を認め、国に対し、別に20万円の支払いを命じました。海自の組織的隠ぺいを断罪したものです。

 一審判決は、先輩隊員の加害行為、自殺との事実上の因果関係を認めたものの、自殺についての予見可能性がなかったとして、暴行・恐喝による損害の範囲内でしか賠償を命じませんでした。

 控訴審判決は、2等海曹の後輩隊員への暴行の事実が申告された時点で、乗員からの事情聴取などで2等海曹の行状などを調査していれば、1等海士の心身の状況を把握することができた可能性があるとして自殺の予見可能性、相当因果関係を認めました。

 原告弁護団は「国による行政文書の隠匿について、これを正面から認定し、違法性を認めたものとして評価できる」との声明を発表しました。

 秘密保護法が成立したもとで、裁判で断罪された海上自衛隊の隠ぺい体質が増幅することや、内部告発がこれまでより困難になるとの懸念が起きています。


 たちかぜ自衛官いじめ自殺事件 2004年、先輩隊員からエアガンでうたれるなどの暴行や恐喝を受けた1等海士の男性=当時(21)=が自殺しました。遺族が06年、国と先輩隊員を提訴し、横浜地裁は11年1月の判決で、いじめを「自殺の重要な原因」と認定。控訴審の東京高裁では、一審が認めなかった自殺の予見性が争点になり、いじめの実態を示す資料の隠ぺいが内部告発で明らかにされていました。


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