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2014年4月20日(日)

きょうの潮流

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 白い花を満開にしたハナミズキの下を、手をつないで歩く母と娘。「お母さん、きれい」。見上げるランドセルの子。「ほんとね」とほほ笑む親。なにげない光景に、情愛を感じます▼最近、家族や親子について考えさせられる機会がありました。ひとつは日本の養子事情。生みの親が育てられず、施設に入っている赤ちゃんが約3千人いて増加傾向にあるといいます。ところが、里親に預けられる割合はわずか1割。欧米に比べても格段に低い▼子どもは家庭環境のもとで育てる、というのが世界の流れ。子どもの権利条約にも明記されています。養子縁組をはじめ、欧米は公的な仕組みが整っているのに、日本にはそれがないことも進まない要因になっています▼実の親子にも確執や葛藤がある―。新宿・紀伊国屋サザンシアターで上演中の劇団民藝「シズコさん」は、母娘の思いが強烈にぶつかり合います。『100万回生きたねこ』で知られる佐野洋子さんの自伝が原作です▼4歳の頃、つなごうと思った手を払われ、舌打ちされて以来、母シズコとの「きつい関係」が始まった娘ヨーコ。見えっ張りな性格や化粧の匂い…。人として嫌っていた母が老いていき、みずからも大病を患った娘に、やがて和解が訪れます▼コミカルな会話の中にまぶし込まれた肉親の愛憎。「家族ってのは、厄介で、知らなくていいことを知ってしまう非情の集団だけど、許し合えるから面白い」。ヨーコ演じる樫山文枝さんの声が、いつまでも胸にひびきます。


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