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2014年4月18日(金)

政治家 「間違い起こす」 「被害者にも極刑を」

性暴力容認に批判次々

インド

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 【ニューデリー=安川崇】インドでは、2012年末に起きた陰惨な女子学生集団暴行殺人事件をきっかけに、女性に対する暴力への国民的な批判と大きな運動が起こりました。ところが現在たたかわれている総選挙のキャンペーンの中で、有力政党の大物政治家たちから性暴力を容認する発言が相次ぎ、厳しい批判が起こっています。


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(写真)性犯罪の確実な立件・処罰を求めるカードを掲げて行進する抗議活動の参加者=2013年2月、ニューデリー(安川崇撮影)

 最初に発言したのは2億人弱の人口を擁するウッタルプラデシュ州の州与党、社会主義党(SP)のムラヤム・シン議長。同氏は10日、同州内の遊説先で、性的暴行事件の被告に死刑が言い渡されたケースに言及。「若い男だったら間違いを起こすこともある。絞首刑にするような話ではない」とのべ、「虚偽のレイプを申し立てる女性を厳罰に処す法改正」を行うと語りました。

女性団体が反発

 女性団体は一斉に反発し、全インド女性会議のオジャ議長は「女性への犯罪に関する彼の姿勢は非常にショックだ」と語りました。

 シン発言が波紋を広げる中、今度は同党の別の幹部(イスラム教徒)が「同意、不同意にかかわらず、婚姻外の関係を持った女は男ともども絞首刑にすべきだ」と発言。性的暴行の被害者にも極刑を、との主張で、論争の火に油を注ぎました。

 同国では12年の事件後、女性への性犯罪に抗議する運動が全国に広まり、多数の若者が連日路上に繰り出しました。女性の尊厳を守れとの世論に押され、政府は性犯罪の厳罰化を盛り込んだ刑法改正に踏み切りました。

 しかし保守的な宗教指導者や政治家らが「被害女性にも責任がある」などの主張を繰り返しています。

意識深めている

 主要紙ヒンズーは「インドのレイプ容認派」と題する12日付社説で、こうした主張に共感する層が今も根強く存在していると指摘。シン氏の発言も、「失言」ではなく、選挙を有利に進めようという狙いのもとで意図的におこなったものだ、と論評しました。

 一方女性団体サヘリのナンディニ・ラオ氏は「男性中心の思考が残っているのは事実」としつつ、「12年の事件以後、ますます多くの人が女性への暴力についての意識を深めている。その変化に気付けない政治家は、長い目で見て支持を失っていくだろう」と語っています。


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