2014年4月12日(土)
ウクライナ一段と緊迫
東部で親ロ派占拠続く
【パリ=浅田信幸】ロシアと国境を接するウクライナ東部の都市で、政府庁舎などの占拠を続けている親ロシア派のデモ隊は10日、ウクライナ暫定政権が出した「投降すれば追及しない」との提案を拒否し、徹底抗戦の構えを明確にしました。治安当局が「話し合い解決か強制排除か」の二者択一を迫った刻限が迫る中、一段と緊張が高まっています。
ロイター通信によると、ルガンスクのウクライナ治安局(SBU)を占拠したデモ隊は、建物周辺にバリケードを構築。防弾チョッキを着て銃を持ち、ロシアへの編入を問う住民投票実施に政府が同意しない限り、武器を降ろさないと主張しています。
デモ隊の指導者の1人、コレキンと名乗る人物は10日、「われわれは具体的に、国民の意思が聞き入れられるよう、連邦化にかんする住民投票を求めている」と述べました。
これに先立ち、ウクライナのトゥルチノフ大統領代行は同日、「武器を置き、建物を解放すれば、追及しないことを保証する」と呼び掛けていました。
ヤロビ内務次官は「妥協点を見いだす努力をしているが、占拠者が持ち出している要求は受け入れがたい。われわれの目的は力の行使を避けることだが、その選択肢も残っている」と記者団に語りました。
アワコフ内相は9日、必要なら実力行使によってでも、48時間以内に占拠中の建物からデモ隊を排除する意図を明らかにしていました。