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2014年4月11日(金)

きょうの潮流

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 日本初の女性報道写真家で、100歳を迎える今も現役の笹本恒子さんの写真展が、横浜市の日本新聞博物館で始まりました▼画家を志すも1940年、25歳の時に写真協会に入社し、カメラを手に75年。その写真は、日米開戦前夜から戦中、戦後、現在までの日本の歩みを如実に証言します▼緊迫する国際関係を示す「ヒトラーユーゲント来日」や「日独伊三国同盟婦人祝賀会」。敗戦直後の進駐軍兵士たちの姿。東京・隅田川畔のバラック街「蟻(あり)の街」の暮らし。祈りに満ちた原爆ドームの光景。銀座のゼネスト、三井三池闘争、60年安保闘争を活写し、民主化の波を捉えました。「子どもの頃から反戦主義」という信念が貫かれています▼明治生まれの女性を100人近く撮影した仕事も貴重です。壺井栄、杉村春子、宇野千代、淡谷のり子、櫛田ふき、松田解子…。「女性に参政権すら与えられず、今のように便利な家電製品もないなか、家事をこなしながら仕事を続け、終戦後に、その道で第一人者となることは想像を絶する苦労でしょう。その方たちの姿を長く残していく責任は、大正生まれのわたくしにこそあるのです」▼会いたいと思ったら心を込めて手紙を書き、承諾を取りつけ、一人でどこへでも出かけました。好奇心と行動力の源泉は、人と出来事の真実を伝えたいという、いちずな思いでしょう▼いつか来た道を逆戻りしないために、女性の未来を切り開いてきた笹本さんの人生と重ねて、この国の歴史を見つめ直したい。


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