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2014年4月8日(火)

主張

国防長官来日会談

米国が認めても国民は認めぬ

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 アメリカのヘーゲル国防長官が先週末から来日し、安倍晋三首相、小野寺五典防衛相、岸田文雄外相と相次いで会談し、安倍政権がすすめる集団的自衛権行使のための憲法解釈の変更や武器輸出を認める防衛装備移転三原則の決定などを「支持した」と報じられています。国民に評判の悪い政治をすすめるため、アメリカが支持している、歓迎しているというのは歴代政権の常套(じょうとう)手段ですが、アメリカが認めても国民は認めません。集団的自衛権の行使や武器輸出への国民の批判は高まる一方です。

増え続ける国民の反対

 集団的自衛権行使容認のための憲法解釈変更に「反対」が57・7%と2月の調査より6・7ポイント増加した(「東京」3月24日付)

 集団的自衛権行使容認への「賛成」が42・4%と2月の調査より5・3ポイント下落。「反対」は41・5%(「産経」1日付)

 集団的自衛権を行使できない立場を「維持する」が63%で昨年の56%を上回った(「朝日」7日付)

 いずれも最近の世論調査です。調査の設問や比較の期間に違いはありますが、安倍政権がすすめる、憲法解釈を変更して集団的自衛権の行使を容認する政策に国民の多くが反対し、しかもこれまでより増えているのは明らかです。

 憲法解釈を変更するだけで日本が攻められているわけでもないのにアメリカなど外国の軍隊といっしょに戦争に参加する集団的自衛権の行使は、憲法にもとづいて政治をおこなう立憲主義にも憲法9条に明記された平和主義にも反します。武器輸出の解禁も憲法の平和主義をふみにじるものです。文字通り日本を「戦争する国」に変える企てが、アメリカの支持があったからといって決して許されないのは当然ではありませんか。

 だいたい、集団的自衛権の行使容認など日本を「戦争する国」に変える企ては、日本の軍事力を強化するとともに、日米軍事同盟を強化するのがねらいです。日本に集団的自衛権を行使しアメリカが始めた戦争をもっと応援するよう最初にいいだしたのはアメリカであり、アメリカの国防長官が支持してくれたと日本の政府が大喜びすること自体が本末転倒で国民に対するごまかしです。もしアメリカが支持してくれなければそれこそ安倍政権は困ったでしょう。

 実際、安倍政権がそうした懸念を持たなければならなかったのは、靖国神社への参拝など安倍首相の暴走が中国や韓国など周辺の国々との矛盾を深めているからです。ヘーゲル国防長官も、日米韓などの対話促進に言及しました。ヘーゲル長官は日本のあと中国を訪問します。安倍政権が過去の侵略戦争を反省せず、それを土台に「戦争する国」づくりに暴走すれば、周辺国はもちろん、アメリカとも矛盾を深めるのは明らかです。

米国の歓心買うために

 へーゲル国防長官と会談した安倍政権の閣僚が、アメリカのイージス艦2隻の日本への追加配備や「日米防衛協力の指針」(ガイドライン)の見直しなどを確認し、沖縄県名護市辺野古への米海兵隊の新基地建設推進などを合意したのは重大です。まさにアメリカの歓心を買うための大幅譲歩です。

 安倍政権が集団的自衛権行使などでアメリカの支持をいえばいうほど、日米軍事同盟の国民にとっての危険が浮き彫りになります。


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