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2014年4月7日(月)

女性差別撤廃条約35年

問われる日本の政治

平兼 悦子

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 ことしは、男女平等の世界のルールを定めた国連女性差別撤廃条約採択35年、来年は、日本がこの条約を批准して30年です。しかし、この節目の時を前にした日本の男女平等度は、136カ国中105位、先進国で最低ランクです。


写真

(写真)女性の地位向上、憲法を守ろうと開かれた今年の国際女性デー中央大会=3月8日、東京都

男女平等 最低ランク

 女性たちの粘り強くたゆまぬたたかいと条約を力に、男女雇用機会均等法、育児・介護・休業法、DV(配偶者などからの暴力)防止法などの法整備もすすみましたが、問題点、不十分さが残されており、遅々とした改善にとどまっているからです。

 日本は、パートなど非正規雇用の女性は54・5%と正規より非正規雇用の女性が多い国、正規と非正規の均等待遇が実現していない国です。異常な長時間労働、マタニティーハラスメントの横行、保育所に入所できないなどの理由で、妊娠・出産したら6割が仕事をやめざるをえない国です。女性管理職は約1割、役員はたった1%台です。

 日本の政治と社会が問われているのです。

厳しい国連勧告

 2009年夏におこなわれた国連女性差別撤廃委員会の日本政府報告審査では、女性差別撤廃条約にたいする政府の姿勢と施策が厳しく問われました。

 「女性に対する差別撤廃の分野における最も適切かつ一般的で法的拘束力を有する国際文書として本条約を認識するよう締約国(日本)に要請する」

 条約にもとづく改善をおこなわない日本政府に、条約を実行すべきものと認識しなさい、という厳しい勧告でしたが、その勧告をも日本政府はうけとめることはありませんでした。

 コース別雇用管理制度(男性は「総合職」、女性は「一般職」を選択することになり、事実上女性を差別するしくみ)の見直しも、正規労働者と非正規労働者の均等待遇の確立もおこなわれていません。婚外子差別は違憲という最高裁判所の判断をうけて是正されたものの、選択的夫婦別姓制度の導入などの民法改正に政府は消極的な姿勢をとりつづけています。

 3月6日にひらかれた「安倍政権の女性政策を考える!〜女性差別撤廃委員会の勧告実現を」院内集会(日本女性差別撤廃条約NGOネットワーク)は、勧告にもとづく政府のとりくみが「大部分は実施されないまま」と厳しい評価をおこなうとともに条約の完全実施を求めています。

 世界ではあたりまえの男女平等を求める女性の願いと行動をともに大きくひろげ、同条約にもとづくとりくみをと、政府に強く求めていきたいと思います。

ルールない日本

 女性への差別をなくすルールをつくることは、「ルールある経済社会」づくりの大事な課題であり、そのルールは、同条約など世界がつくりあげてきた到達にたったルールです。

 同じ資本主義の国でも、ヨーロッパなどの国々は、同条約にもとづいて、男女差別をなくし人間らしく働くルールをつくり、男女の賃金格差をなくすためにとりくみをすすめています。妊娠・出産しても働き続け、男女がともに家庭・子育てに責任をもてる社会づくりの努力をすすめています。

 日本で女性への差別の改善が遅々としてすすまない一番大きな原因は、日本の政治が条約のルールよりも、大企業を優先する政策を続けているからです。

 安倍首相は、国内外で、「女性が輝く社会」づくりをアピールしています。しかし、それも、少子化による労働力不足を女性の労働力で安あがりに補わせようとする財界・大企業の戦略にそったものでしかありません。

 国連での次の日本政府報告審査の日程は未定ですが、政府から国連への報告提出の期限はことし7月です。

 条約批准国でありながら実施の立場にたってこなかった歴代政権と安倍政権に、男女平等を求める女性たちの目はいっそう鋭く注がれ続けることになるでしょう。

(党女性委員会事務局長)


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