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2014年4月5日(土)

集団的自衛権 砂川判決の援用を批判

井上議員 個別的自衛権が前提

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(写真)質問する井上哲士議員(手前)。奥右は安倍晋三首相と小野寺五典防衛相=4日、参院本会議

 日本共産党の井上哲士議員は4日の参院本会議で、集団的自衛権の行使を憲法上認める根拠として与党内で議論されている砂川事件の最高裁判決(砂川判決、1959年)について、個別的自衛権を前提とした判決であり、「行使容認に利用するのはもってのほかだ」と主張しました。

 井上氏は、そもそも裁判が在日米軍駐留の違憲性を問うものであり、当時の裁判の全関係者が自衛権とは日本が侵略された場合の「個別的自衛権」であることを想定していたと指摘。判決が述べる「固有の自衛権」の中に集団的自衛権が含まれるという論理は通用しないと批判しました。

 さらに井上氏は、違憲判決を下した一審後の跳躍上告の背景に、駐日米国大使と最高裁長官との密議があったことが2008年以降、米解禁文書から判明したことをあげ、「司法の独立を脅かす事実が明らかになっている」と指摘。判決自体も、在日米軍が憲法9条の「戦力」にあたるかどうかを判断したもので、「日本独自の自衛力保持については判断していない」と強調しました。

 安倍晋三首相は砂川判決について「自衛の措置は当然ということを認めたもので、政府も従来からこの見解をとってきた」と述べ、政府自身が集団的自衛権の根拠としてこなかったことを認めました。一方、「懇談会の議論を待ちたい」と解釈見直しを示唆しました。

敵基地攻撃能力 首相が前のめり

井上議員への答弁

 安倍晋三首相は4日の参院本会議で、自衛隊が他国のミサイル基地をたたく敵基地攻撃能力について、「日米間の適切な役割分担に基づき、わが国の抑止・対処能力の強化を図る観点から検討を行った上で、必要な措置を講じていく。こうした検討は専守防衛の範囲内で、憲法に反するものではない」と述べ、能力保有に改めて意欲を示しました。日本共産党の井上哲士議員への答弁。

 日米軍事協力の指針(ガイドライン)再改定にあたり、安倍政権は敵基地攻撃における日米の役割分担を見直す意向でしたが、協議対象からは外れています。首相答弁は、日本の役割の範囲内で検討を進める考えを示したもの。


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