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2014年4月4日(金)

きょうの潮流

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 カタツムリがそろそろ冬眠から目覚めるころです。江戸後期の俳人、小林一茶の句日記の4月に「朝雨やすでにとなりの蝸牛(かたつむり)」など、カタツムリを詠んだ句が並びます(『七番日記』)▼雨上がりに、その存在にふと気づく小さな生きもの。歩みは至ってゆっくりで、さぞかし生活圏は狭いのだろうと想像します。生物の分布の移動速度と温暖化のスピードを比べた図に目を止めました▼先日、国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が発表した、温暖化が社会や生態系に与える影響を予測した報告書の中です。川などにすむ生物の絶滅の危険が高まっているというので、温度上昇の程度と、カタツムリのような巻き貝の形をした生物の移動速度をグラフ化しています▼巻き貝は10年に10〜100キロメートルの移動が可能とあり、中間の値は約30キロメートル。1年にすれば3キロメートルです。対策をとらず、このまま二酸化炭素を排出し続ければ、急速な温度上昇による変化に適応できなくなることを示しています▼図は、分布を早く広げない樹木、リスや霊長類がより深刻な影響を被ることを表しています。「ここ数十年、気候変動の影響がすべての大陸と海洋で、生態系や社会に影響を与えている」。報告書の指摘です▼海面上昇や洪水による人的被害、気温上昇や干ばつによる食料供給システムの崩壊など、温暖化がもたらすさまざまな危険。同時に報告書は、気候変動の速度と大きさを抑制することで危険を減らすことは可能とも。排出削減は待ったなしです。


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