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2014年4月3日(木)

治安悪化の中、大統領選

アフガン タリバン妨害続く

有権者 「平和」を重視

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 【ニューデリー=安川崇】アフガニスタン大統領選挙の投票が5日に行われます。憲法の3選禁止規定でカルザイ大統領が退任するのに伴う今回の選挙では、米軍の駐留を定める安全保障協定や、反政府武装勢力タリバンとの対話などで重要な判断を下す次期大統領を選出します。反政府勢力タリバンによるテロが後を絶たず、選挙の正統性を脅かしかねない情勢不安のなかで、有権者は治安改善の強い願いを一票に託します。


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 主要候補は、2009年の前回選挙でカルザイ氏との決選投票に進んだ後に辞退したアブドラ・アブドラ元外相や、世界銀行での勤務経験があるアシュラフ・ガニ元財務相、ザルマイ・ラスール前外相ら。いったん立候補して出馬を取り消したカルザイ氏の実兄は、ラスール氏を支持しており、大統領も同氏を支持しているとみられています。

 どの候補者も過半数を獲得できず、上位2人の決選投票となるとの見方が支配的です。

 選挙妨害を宣言しているタリバンは、有権者も攻撃対象にすると明言。一部の投票所では投票が実施できない情勢です。3月には選管事務所や国連職員らが滞在する首都カブールの高級ホテルへの襲撃が相次ぎました。

 国際治安支援部隊(ISAF)による治安権限移譲を今年末に控え、米軍などの戦闘部隊の撤退が続いており、ほぼ全土でアフガン軍・警察が治安の責任を担っています。しかし実質的に全土を掌握しているとはいえない状態です。

 民間人犠牲者を生んできた米軍などへの厳しい非難を繰り返しているカルザイ大統領は、米国との安保協定への署名を拒んでいます。しかし年末以降も治安維持のための米軍駐留が必要だとする声は根強く、どの候補者も安保協定に反対していません。

 前回選挙で100万票規模で明らかになった不正の有無も焦点の一つ。治安悪化に伴い海外の選挙監視団体の撤退や活動縮小が続いており、大規模な不正が懸念されるとの報告もあります。

 一方、世論調査によると国民の投票への意欲は低くありません。非政府組織アフガン自由公正選挙フォーラム(FEFA)が3月末に発表した調査によると、有権者の75%が投票に行くと回答。政策として重要視するのは「平和」が73%でトップ。教育(41%)、経済(39%)と続きます。

 FEFAのナダリ議長は電話取材に「アフガンは長い間、暴力による権力奪取を見てきた。人々は選挙が完全に公正には行われないだろうと分かっている。それでも投票を望んでいる」と語っています。


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