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2014年4月3日(木)

主張

医療介護の大改悪

「安心」を崩す引き金をひくな

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 安倍晋三内閣が提出した医療・介護総合法案の審議が1日の衆院本会議で始まりました。消費税増税が実行された、まさにその日に医療・介護の崩壊の引き金をひく大改悪法案が審議入りしたことは、「消費税増税は社会保障充実のため」という口実が、成り立たないことを象徴しています。国民が願う安心の医療・介護の基盤を突き崩す改悪法案は徹底審議し、廃案にすることが必要です。

必要な「行き場」を奪う

 17年ぶりの消費税増税が強行されたこの4月、国民の負担増は増税だけではありません。介護保険料、国保や後期高齢者医療などの保険料のアップがのしかかり、70〜74歳の医療費窓口負担引き上げも段階的に始まりました。

 諸物価の値上げが続くなか、年金や児童扶養手当などの連続削減が高齢者やひとり親世帯を直撃しようとしています。暮らしを追い詰める容赦ないやり方です。

 追い打ちをかけるのが、医療・介護総合法案です。中長期にわたり社会保障への国の支出を削減・抑制するため、医療・介護サービス利用を制限する方針が次々打ち出されています。国民に負担増・給付減を求めるだけでなく、健康と老後の安心を保障する仕組みを大もとから壊すものです。

 医療分野では、看護師配置の手厚い入院ベッドの削減などを通じた入院体制の大再編を掲げます。高齢者人口が増える2025年には202万床が必要と推計されているのに、それより40万床以上も少なくする計画を立てています。「受け皿」整備の見通しもないまま、強引な病床削減に突き進むことは、行き場を失う“漂流患者”を激増させるものです。

 介護保険では制度発足以来、かつてない改悪に踏み込もうとしています。要支援1、2の高齢者の訪問・通所介護を、国の責任で行う介護保険サービスから切り離し市町村事業に移すことは、住む地域によって介護の格差をつくりだす危険があります。多くの市町村から「移行は不可能だ」と異論が続出しているのに、強行するのは、実態を無視した暴走です。

 一定所得の高齢者のサービス利用料を1割から2割負担に引き上げることは、介護保険の分野で初めて利用料負担増を国民に迫る重大な変更です。将来の「2割負担」原則化への突破口になりかねません。特別養護老人ホーム入所を原則「要介護3以上」に限定することは、52万人以上が希望しても待たされ続ける事態に拍車をかけます。認知症などで自宅生活が困難な高齢者を「待機の資格もない」と扱うやり方は、公的介護の理念に根本から反するものです。

再生・充実の声大きく

 憲法25条にもとづき国が責任をもつ社会保障から、国民に「自己責任」「自助努力」を迫る「社会保障」への大転換を狙う大改悪にまったく道理はありません。

 これほど重大で多岐にわたって国民に影響を及ぼす法案を十数本ひとまとめに押し通そうとすること自体、大義がありません。

 大改悪を許すな、と医療・介護にたずさわる幅広い人が呼びかけ、24日に東京で市民大集会、国会包囲行動などが計画されています。

 安倍政権の社会保障破壊を許さず、すべての人が安心できる社会保障の再生・充実へ向けた世論と運動を広げることが急務です。


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