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2014年4月2日(水)

国民投票法改定案

改憲論議推進が狙い

「解釈」と同時進行の異常

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(写真)各党の憲法審査会担当議員が集まった国民投票法改定案についての意見交換会。左から3人目は笠井亮議員=3月7日、衆院第2議員会館

 自民、公明の与党と民主など一部野党が、憲法改定の手続きを定めた国民投票法の改定案を共同で提出しようとしています。その狙いは、機能不全に陥っている国民投票法を「改定」し、改憲原案の審査権を持つ衆参両院の憲法審査会での改憲論議を前に進めることにあります。

 国民投票法は、第1次安倍政権時の2007年5月、自民、公明両党が強行成立させた法律です。そのとき、同法では施行(10年5月)までに投票年齢の関連法令や、公務員の国民投票運動に関する規制などの整備を付則に掲げました。同年9月に安倍首相が政権を投げ出したため、施行までに議論はまったく進展しませんでした。投票年齢が定まらないなどの根本的欠陥が残り、国民投票法の実施が難しい状態に陥ったのです。

 改定案は、従来の付則を削除し、投票年齢を当面「20歳以上」とし、4年後に「18歳以上」とするなどとしています。

 自民党の船田元・憲法改正推進本部長は3月27日、民主、維新の会などが改定案の共同提出の意向を示したことについて「憲法改正原案の作成に向けて歯車を一つ動かしたと理解している」と述べ、憲法審査会で改憲案のすり合わせを進める考えを示しました。

 いま安倍首相は、集団的自衛権の行使容認に向けた解釈改憲を画策。その先に狙うのは、9条2項の戦力不保持規定の削除や軍事審判所の設置(自民党改憲草案)などです。解釈改憲と明文改憲の条件整備が同時に進む異常事態です。

 民主党は解釈改憲に「批判」的ですが、集団的自衛権の行使や武力行使を含む国連の集団安全保障活動への参加を容認する改憲「提言」(05年)をまとめており、改憲発議を目指して議論が進む危険な流れです。

 しかし、国民は改憲を求めていません。共同通信が昨年7月の参院選直後に行なった世論調査で「安倍内閣が最も優先して取り組むべき課題」について、「雇用・景気など経済政策」が1位の58・3%だったのに対し、「憲法改正の是非」は8・7%にすぎませんでした。

 国民投票法は、最低投票率の定めがなく、極めて少ない賛成でも憲法改定が成立する仕組みなど、反民主的な欠陥法です。国民投票法は改定ではなく廃止すべきです。 (中祖寅一)


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