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2014年3月23日(日)

米のアジア政策の“障害”

米議会報告書 「日本会議」を名指しで警戒

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(写真)米議会調査報告書

 米議会調査局が2月20日付でまとめた38ページの議会報告書に「日本会議」という言葉が出てきます。「日本会議」は過去の侵略戦争を正当化する改憲・右翼団体です。

 報告書は、昨年12月に安倍晋三首相が強行した靖国参拝について、「アメリカ当局者による静かな制止を無視して行われた靖国参拝は、日米の相互関係を複雑にさせる指導者の資質を示す」「東京とワシントンの間の信頼を壊すものだった」と批判。「安倍氏の歴史観は、第2次世界大戦におけるアメリカの役割や、日本占領についての見方と衝突する」と厳しい警告を発しています。

参拝を後押し

 では、首相参拝はどのような後押しで行われたのか。報告書が指摘したのが「日本会議」の動きです。

 ―「安倍氏は、戦時中の行為について、日本は不当な批判を受けていると議論するグループと連携」

 ―「日本会議のようなグループが、日本は西欧の植民地支配からのアジア諸国の解放について称賛されるべきだとか、1946年から48年の東京裁判は違法だとか、37年の南京大虐殺は誇張、捏造(ねつぞう)されたと唱道している」

 日本会議をはじめとする「靖国」派が、安倍首相の靖国参拝強行や村山談話見直し発言などの背景にあることを指摘しています。

「側近」を放置

 知日派の政治学者として著名なジェラルド・カーティス氏(コロンビア大学教授)は、8日に都内で開かれた研究者の会合で、安倍首相の靖国参拝に対しアメリカ政府が即座に「失望した」という「声明」を出したことにふれ、「一番大事な同盟国のリーダーに対し公式にこのような批判を出すのはよくないことだ」と指摘。「しかし、靖国参拝や歴史問題で、中国や韓国だけでなく、アメリカや世界中が驚き怒る、挑発的なことを日本の総理大臣の側近が言い、それを総理大臣が否定しない」と、安倍首相と「側近」の行動を批判しました。「側近」とは、衛藤晟一(せいいち)首相補佐官や萩生田(はぎうだ)光一・自民党総裁特別補佐であり、日本会議と連携する国会議員懇談会の中心メンバーです。

 さらにカーティス氏は「これら側近たちは、『オバマ政権でなければ』『共和党政権になれば問題はない』というが、そうではない」と明言。「戦略的に地域の国際環境は変わっており、日本がアメリカを困らせる対中政策を採るのは困る」として、アメリカのアジア政策にとって、「靖国」派の行動が障害だという認識を示しました。前出の報告書も、安倍内閣の行動が「アメリカの同盟国内部の安全保障協力を脅かす」ことへの懸念を示しています。

 自民党議員の一人は、「衛藤(補佐官)や萩生田(総裁補佐)の発言がアメリカを怒らせている。アメリカに使者を出すなら、衛藤のような日本会議の中軸ではなく、もっと中立的な人間を送るべきだった」と困惑顔を見せます。


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