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2014年3月14日(金)

フランス 企業の組合差別断罪

控訴院 9人に1億3300万円賠償認める

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 【パリ=浅田信幸】フランスで、企業による組合活動家への差別を断罪する控訴院(第二審)判決が出て、注目されています。判決は、最有力労組である労働総同盟(CGT)の組合員9人の訴えを全面的に認め、企業側に95万ユーロ(約1億3300万円)を支払うよう命じました。


財界系紙 「画期をなす判決」

 判決が出たのは仏南西部アジャン(ロット・エ・ガロンヌ県)の控訴院で、2月11日のことでした。1カ月近くたった今月初め、報告会で詳細な判決内容が知られるようになり、国営テレビ「フランス3」や経済紙レゼコーが「画期的判決」と報じました。

 訴えていたのは、航空機部品メーカー・ラティエ社(従業員1100人)の従業員代表や組合役員を務めていた職歴20〜40年の労働者9人で、すでに7人は退職しています。

以前も有罪に

 同社はこれまでにも組合員に対する差別で、2004年の刑事裁判で有罪が確定しています。しかし、その後も差別がなくならないため、9人は全就労期間にわたる賃金差別の全額補償を求めて08年に労働裁判所に提訴。昨年の第一審での敗訴を受けて、控訴していました。

 同社の労働者の平均賃金は月約2000ユーロで、同じ勤続年数と資格を持つ組合員と他の労働者との賃金差は220〜590ユーロに達するといいます。

 控訴院の判決は、9人が「組合活動を理由にした差別の犠牲者」であると明確に断定。賃金差別に対して3万1000〜17万5000ユーロを、また精神的損害の補償として1人につき5000ユーロを支払うよう企業に命じたものです。

「曖昧さ一掃」

 「組合活動を理由に労働者の昇給・昇進に不利益を与えてはならないという、企業労働者すべてにとっての勝利だ」―原告団はこう言って喜びを表しました。訴訟代理人を務めるブッサールベレシア弁護士も「非常に教育的な判決で、曖昧さを一掃している」と語りました。

 財界の機関紙とも言われるレゼコー紙は「画期をなす判決」の見出しを立て、「差別を明らかにし、損害を数値化するうえで重要なことは、職歴全体を同等の労働者のそれと比較すること」だと解説。「司法における強力な原則」として同種の労資紛争に適用される判決だと指摘しました。

 ただラティエ社は最終審の破棄院に上告する構えと伝えられており、組合差別とのたたかいはなお続きます。


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