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2014年3月12日(水)

基地撤去の比 米軍「巡回配備」協定大詰め

「憲法に違反」と批判も

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 南シナ海の島をめぐる中国との領土紛争を抱えるフィリピンで、米軍部隊が短期間で交代しながら配備される「巡回配備」を認める協定の交渉が大詰めを迎えています。アジア最大といわれた米軍基地を1992年に国民のたたかいで撤去させた同国で、この協定をめぐる議論が熱を帯びています。(ハノイ=松本眞志)


 フィリピン国防省のガルベス報道官は9日、米ワシントンで6日までおこなわれた同協定の交渉で「重要な進展があった」と語りました。次回は3月末にフィリピンの首都マニラで最終交渉が行われる予定です。

 協定は「米比国防協力強化および巡回配備枠組み協定」とよばれるもの。南シナ海での緊張の高まりを背景に、米軍の支援確保や両国軍の共同行動、フィリピンの国防力強化などを目的に2013年8月から交渉が開始され、これまで6回の交渉がおこなわれてきました。

 現在の同国の憲法は外国軍の基地設置と部隊駐留を禁じています。しかし協定では、フィリピン国軍の基地内に一定の区画を指定し、そこに米軍が臨時の施設を建設することなどが定められています。またフィリピン全土で軍事施設すべてを米軍が使用できるとされており、フィリピン国内では主権を侵害し、憲法に違反するとの強い批判が上がっています。

 フィリピン政府は、短期に米軍部隊が入れ替わる(ローテーション)形式であるため、通常の駐留ではなく憲法に抵触しないと説明してきました。また両国は、恒久的な駐留ではなく、米軍戦闘機の基地化もおこなわないなど、憲法の枠内だと主張しています。

 しかし交渉の過程では、米軍が新たに建設する施設に対するフィリピン側の管轄権や立ち入りの権利に、米側が明確な同意を与えなかったことから、交渉が難航。

 英字紙マニラ・ブレティンによると、2月末、この問題で強硬な立場を主張していたフィリピン側交渉担当者の一人ソレタ外務次官補が更迭されました。

 背景には、今年4月のオバマ大統領の東南アジア訪問までに妥結したいという政府の意向があるといわれていますが、米軍が戻ってくることへの同国内の根強い抵抗感を浮き彫りにしています。


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