2014年3月11日(火)
イラン 協力関係発展めざす
EU外相が大統領と会談
【カイロ=小泉大介】欧州連合(EU)のアシュトン外交安全保障上級代表(外相)は9日、訪問先のイランの首都テヘランでロウハニ大統領やザリフ外相らと相次ぎ会談し、イラン核開発問題をめぐる同国と欧米など6カ国との交渉の今後のあり方など諸問題について協議しました。
EU外相のイラン訪問は2008年以来。同国のファルス通信によれば、アシュトン氏はロウハニ大統領との会談で、「私はEU加盟28カ国の親善のメッセージを携えて来た。今回の訪問はイランとEUとの協力関係発展に向けたスタートだ」と強調しました。
対話外交を掲げるロウハニ大統領は、過去数カ月で欧州の政財界代表のイラン訪問が増えているが、アシュトン氏の訪問はさらなる画期をなすものだ、と歓迎しました。
アシュトン氏はザリフ外相との会談では主に核交渉について意見を交わしたもようです。イランと国連安保理常任理事国(米英仏ロ中)に独を加えた6カ国は昨年11月に核問題解決に向けた「第1段階」の措置で合意し、今月17日からは最終的「包括合意」に向けた本格交渉が開始される予定です。
6カ国側の窓口役であるアシュトン氏はザリフ外相との共同会見で最終交渉について、「困難だがやりがいのある仕事だ」と指摘し、成功のためにはイラン国民と国際社会の支持が非常に重要だと訴え。ザリフ外相は「イランには合意を達成する決意がある」とし、6カ国側も同様の姿勢で交渉に臨めば4〜5カ月間で包括合意を成立させることは可能だとの認識を示しました。