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2014年3月9日(日)

コスタリカ 反新自由主義の大統領が誕生へ

変革望む国民 与党が決選投票辞退

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 中米コスタリカの大統領選で、4月に予定されている決選投票を与党候補が辞退し、野党の市民行動党(PAC)のルイス・ソリス候補の当選が確実となりました。同国で初めて新自由主義モデルに異議を唱える大統領が生まれることになります。

 現地からの報道によると、現チンチジャ政権の与党・国民解放党(PLD)のジョニー・アラヤ候補が5日、決選投票に向けての選挙運動を中止すると発表しました。

支持率激変

 これに先立ち、国立コスタリカ大学政治調査研究所は、決選投票に向けた世論調査結果を発表。ソリス氏の支持率が約64%で、アラヤ氏は約21%でした。2月2日実施の第1回投票ではソリス氏のリードは1ポイント未満でしたから、わずか1カ月間でソリス氏への支持が大きく増大したことになります。

 アラヤ氏は「国民の意思は政権交代にさらに傾いており、この傾向を逆転させる時間も資金もあまりに限られている」と自らの決断を説明しました。

 同国の選挙法では決選投票の候補者が途中で辞退することは認められておらず、4月6日の投票は予定通り行われます。

 コスタリカは、軍事独裁政権や内戦のもとで国民が困窮した中米の中でも、比較的高い生活水準が保たれてきましたが、近年、新自由主義の導入で社会政策が後退し、「コスタリカの中米化」ともいわれる問題が起きていました。

汚職を追及

 ソリス氏とPACは、PLDとキリスト教社会連合党(PUSC)が交代で政権に就きながら進めてきた新自由主義政策が失業や貧困をもたらしたことを批判し、別の経済モデルの採用、自由貿易協定拡大方針の見直しを主張してきました。また、政府・与党幹部の汚職問題を厳しく追及し、「変革」を国民に呼びかけました。

 同氏は5日の会見で、アラヤ氏の決定を「歴史的で勇気ある行為」と評価し、4月の決選投票に多くの有権者が参加し、支持を明確に表明してくれるよう訴えました。

 ソリス氏「勝利」の要因に関して、PACの次期国会議員ヘンリー・モラ氏は「(与党の)PLDを支持するしないにかかわらず、今の政治が続くのはコスタリカにとって不幸だという強い思いが国民の間に存在している」とロイター通信に語っています。

 (菅原啓)

 コスタリカ 人口約480万人で、最大都市は首都サンホセ。1月に中南米カリブ海の33の国全てが加盟する中南米カリブ海諸国共同体(CELAC)の議長国に就任(任期1年)しました。1949年の憲法で軍隊の保持を禁止したことで知られますが、比較的重武装の国家警備隊が存在します。


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