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2014年3月9日(日)

京都府知事選 記者座談会

自民にひれ伏す現職VS府民が共同 尾崎さん

「自共対決」色濃く

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 京都府知事選(20日告示、4月6日投票)は、府政転換を訴える「世直し府民ネット」の行動する医師、尾崎望氏(59)と、4選をめざす現職の山田啓二氏(59)の事実上の一騎打ちです。対決構図の様相を担当記者で話し合いました。


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(写真)市民と握手する尾崎氏=京都市

  安倍政権の暴走のなか、本格的な「自共対決」を色濃く反映した知事選になっているね。尾崎氏を推すのは日本共産党と広範な府民のネットワークだ。現職の山田氏陣営は京都財界がバックにつき自民、公明、民主、維新が推す「オール与党」体制だが、実態は自民党主導だ。

メディアが注目

  京都に着任して間もない全国紙の記者が「なんで京都では(共産党が自民党と)互角のたたかいができるんですか」と驚いていた。知事選と同時にたたかわれる三つの府議補選のいずれも共産党と自民党が1議席を争う。民主党は二つの選挙区で出馬を断念した。ある民主党の京都市議は「いまさら民主党の名前で出る人なんかいない」という。

  メディアの共産党への注目が目立つ。知事選や府議補選をめぐり「上げ潮共産」(「読売」)、「共産に存在感」(「京都」)。2月下旬にこんな見出しが躍った。共産党の「一定の自信には、根拠もある」(「産経」)として、昨夏の参院選で15年ぶりに京都選挙区(改選2)で議席を奪還したことなどを解説した記事もあった。

元副知事エール

  自民府政を支えてきた政治家や業界代表の言動も注目される。元官房長官の野中広務氏(自民府政の元副知事)が、国会での参考人質疑で安倍首相が狙う解釈改憲について「憲法上から、いまの内閣が歩んでいる道は非常に誤りつつある」と批判した。共産党の倉林明子参院議員(京都選挙区)の質問への見解だ。自民府政の元副知事で府農業会議会長の草木慶治氏が「京都民報」に登場し、日本の環太平洋連携協定(TPP)交渉参加に「参院選で勝利した、日本共産党も全党で一致して反対してくれていますね」「反対派として頑張ってほしい」とエールを送った。

  府建設業協会会長の岡野益巳氏が「窮状を知ってほしい」と「京都民報」で、府に地元建設業の育成を求め、消費税増税による景気への悪影響に懸念を示したことが建設業界で話題になった。(4面につづく)

現知事「府を守る気ない」と公言

ひと・いのち輝く府政へ尾崎さん

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(写真)街頭宣伝で訴える尾崎氏=8日、京都市北区

  「世直し府民ネット」の尾崎さんの「地域循環型」経済で京都を元気にするプランは、建設業界の要求にもぴったりかみ合い、対話・懇談が一気に進みつつある。

  「原発ゼロ」を求める共同もそうだけど、安倍暴走政治のもと「尾崎さんとともに京都から世直しを」と各分野で対話や共同の条件が急速に広がっているね。自民府政の陣営も、その勢いを相当意識している。

  山田陣営の事務所開きで「全国でも強力な力を持つ共産党。予断を許さない」と選対本部長の立石義雄オムロン名誉会長・京都商工会議所会頭がハッパをかけた。自民党府連会長の西田昌司参院議員は「共産府政から奪還して36年。実りの年が(山田府政)4期目」といまだに蜷川民主府政28年を意識している。自民府政36年で「実り」がなかったのかといいたいね。

前回と様変わり

  反共の一点で陣営内を引き締めたいのだろうが、山田知事が“自民党にひれ伏した”ことで、与党内がぎくしゃく。なによりも府民との矛盾をいっそう深めている。

  4年前の前回知事選とは様変わりし、山田陣営は文字通り「自民丸がかえ」だ。山田陣営の事務所開きでも、民主党は国会議員が出席しているのに、あいさつもさせてもらえない。「政党を代表」してあいさつしたのは、自民党府連会長の参院議員だ。

  前回、山田知事は政党推薦は受けなかったが、実態は民主党主導で選対の事務長は連合京都会長だった。それが、今回は自民党の府連幹事長が事務長だ。民主は選対幹部から排除された。

  そのへんのいきさつを各紙も書いているね。京都新聞の知事選連載(上)のテーマは「自民回帰」。民主党政権時代と自民・公明政権のいまとの違いを描いた。「読売」は知事選連載で「自公選対 民主外し」の見出し。このなかで、擁立候補を協議する自民党府議団会議でベテラン府議らが「山田知事が頭を下げるべきだ」と発言。昨年暮れに山田知事が自民党の西田府連会長らに「自民党中心に選挙を進めてほしい」と頭を下げ、府連推薦を求めた。選挙母体の名称は、前回の「希望の京都をつくる府民の会」から「活力ある京都をつくる会」に戻された。こうした経過を報じている。

  「活力ある京都をつくる会」は林田悠紀夫知事時代の1981年に発足し、つづく荒巻禎一知事、山田知事2期目まで支えた。「活力」といっても、京都の事業所減少率は被災地を除いて全国最悪、非正規労働者の割合は全国ワースト3。京都の「活力」をなくして、何が「活力」か。

官僚知事らしい

  その「読売」連載で紹介されている連合関係者の言葉が的を射ている。「『希望の京都』は、山田さん自ら選んだ名前。元に戻すのは、自民党の前にひれ伏したことに他ならない」

  山田知事が「自民にひれ伏した」ということは安倍政権の暴走と文字どおり一体となるということだ。もともと山田知事は、国いいなりで府民に冷たいと批判されてきた。安倍首相の消費税増税の決断に「敬意」を表し、近畿初の米軍基地を認め、環太平洋連携協定(TPP)参加には反対を表明せず、原発再稼働は容認などなど。

  なかでも、いかにも官僚知事らしい冷たさだとあきれたのは、道州制にからんで滋賀との合併を持ち出したことだ。「府を守る気はない」「大津に府庁を持っていくことも考えられる」と府議会で公言するとは驚いた。滋賀県知事が“県民は地元を愛している”と合併に反対するのは当たり前。山田知事に京都を愛する気持ちはないのか。

  ぞっとするね。「戦争する国」に突き進む安倍暴走政治にひれ伏し、“京都をなくしてもいい”知事に京都の未来は託せない。安倍暴走政治に正面から対決し、「ひと・いのち輝く京都府政へ」の転換を訴える尾崎さんにこそ、京都の未来を託せることがいよいよはっきりしてきた。

 世直し府民ネット 「府政転換・世直し京都府民ネットワーク」の略称。日本共産党も参加する「民主府政の会」とともに、尾崎望さんを知事にすることをめざす「医師・歯科医師の会」「弁護士の会」「世直し労働者の会」「宗教者の会」「京都環境・まちづくり住民運動ネットワーク」の6団体で構成。


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