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2014年2月25日(火)

介護保険法改悪案

市町村任せ「約束違反」

元厚労省幹部も批判

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 安倍政権の介護保険法改悪案に対し、「公的介護に対する国の責任を投げ捨てるものだ」との批判とともに、幅広い団体や元厚労省幹部から「社会保険の原則も踏み外すものだ」との批判が起こっています。


 介護保険は強制加入の公的保険制度で、40歳から保険料を納め、65歳からは認定を受ければ1割の自己負担でサービスを使える仕組みです。

 今回の改悪案では、「要支援」の認定を受けた人が利用する訪問介護と通所介護を保険給付から外して、市町村による安上がりの事業に移すことが大きな柱の一つです。

受給権の保障

 これに対し、連合(日本労働組合総連合)は「保険料を支払うことによって、介護認定を経て介護保険サービスを受ける権利が保障されるという、社会保険制度の原理を逸脱するもの」(神津里季生事務局長談話)と批判。介護保険改定に反対する方針を決めました。

 保険給付であれば、認定を受けた人には受給権があるので、サービスの利用が予算を超えても打ち切ることはできません。補正予算を組んででも給付する義務が国・都道府県・市町村にあります。

予算切れたら

 元厚労省幹部は、その点を指摘した上で、「保険給付と事業は全く違う。事業は単なる予算にすぎず、予算が切れたらサービスを打ち切ることも可能です」と語ります。

 サービスの質についても、保険給付には全国一律の基準があります。

 通所介護事業所なら、機能訓練室や相談室などを設け、一定数以上の生活相談員、看護職員、介護職員、機能訓練指導員を置かなければなりません。

 ホームヘルパーとして働くにも、130時間の初任者研修を受け、修了試験に合格する必要があります。

 市町村任せの事業ではこれらの基準が取り払われ、サービスの最低水準が保たれなくなります。全国老人福祉施設協議会は、市町村事業への移行でサービス水準に「不条理な差異が生まれることが懸念される」との意見書(昨年12月20日)を国に提出しています。

 元厚労省幹部は「保険給付の受給権を放逐し、事業に変えるというのは、保険としては考えられない約束違反です」と話しています。 (杉本恒如)


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