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2014年2月20日(木)

習中国主席・連国民党名誉主席が会談

中台関係の改善進む

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 【北京=小林拓也】中国共産党の習近平総書記(国家主席)は18日、北京で台湾の連戦・国民党名誉主席と会談しました。中台は11日に当局者による初の公式協議を行い、対話メカニズムの構築で一致。中台間でハイレベルの交流が続き、平和的な話し合いによる中台関係の改善が進んでいます。


 中国メディアによると、習氏は、11日に行われた中台関係を主管する当局者の協議について「前向きな合意に達し、両岸(中台)関係の全面的な発展の推進に対し積極的な意義を持つものだ」と高く評価。「政治的な食い違いの問題について、平等に協議し、情理に合った処置をしていきたい」と述べました。

 習氏と連氏の会談は昨年2月以来1年ぶり。昨年の会談で、中台の「平和統一促進」を訴えた習氏ですが、18日の会談では「台湾同胞が自ら選択した社会制度と生活方式を尊重し、まずは大陸の発展のチャンスを台湾同胞と分かち合いたい」と表明し、「平和統一」には触れず。「現状維持」を求める台湾住民の世論に配慮し、中台の「平和発展」を強調しました。

 連氏は「この1年で、両岸は政治的な相互信頼で大きな一歩を踏み出した」と指摘。「両岸の平和発展は後戻りすることのない正確な道だ」と述べました。

解説

対話通じた関係強化に注目

 1949年の中華人民共和国の建国後、大陸と台湾の対立は長く続いてきましたが、近年は対話による関係改善が進んでいます。11日に行われた中台当局者による49年以来初の公式協議に続き、今回の習氏と連氏との会談は、中台の平和発展の進展を強く印象づけました

 中台の本格的な交流は、台湾の対中窓口機関・海峡交流基金会と中国側窓口・海峡両岸関係協会の両トップが93年にシンガポールで行った初会談を機に始まりました。

 しかし、99年に当時の李登輝・台湾総統が中台を「特殊な国と国の関係」とする「二国論」を提起。2000年には独立志向の民主進歩党の陳水扁氏が総統に当選し、中台関係は一時冷え込みました。

 08年に国民党の馬英九氏が総統に選ばれて以後、対中改善が進み、貿易自由化を推進する「経済協力枠組み協定(ECFA)」を締結するなど経済を中心に関係を強化してきました。

 中国側が求めているのは、経済を中心とする交流から、中台の「平和統一」を見据えた政治対話への踏み出しです。11日の中台当局者協議では、信頼醸成に向けた対話メカニズムの構築で合意。今後、当局間の直接対話が本格化するとみられています。中国側は、この協議は重要な一歩であり、「第2歩、第3歩がある」(国務院台湾事務弁公室)と対話の加速を期待しています。

 今年秋に北京で開かれるアジア太平洋経済協力会議(APEC)に合わせ、中台のトップ会談が実現する可能性もとりざたされています。中台の対話を通じた関係強化がどう進むのか注目されます。

 (北京=小林拓也)


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