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2014年2月18日(火)

きょうの潮流

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 中国東北部のハルビン駅に韓国の義士、安重根(アンジュングン)の記念館を開設した報道に、日本政府は先月、伊藤博文を殺した「テロリスト」として抗議しました▼1910年の「韓国併合」の前年に、初代の韓国統監を務めた伊藤博文が射殺されました。外交権を奪ったとき、伊藤が「駄々をこねるようなら殺(や)ってしまえ」と大臣に聞こえるように脅したのは、有名な話。韓国で安重根は、義兵闘争の英雄として扱われています▼日本でも安に心酔した人がいます。千葉十七(とおしち)という青年憲兵です。当初の憤りも、刑務所の看守として安の態度を見、公判での強い愛国心に触れ、尊敬の念を抱くように変わったのです。終生、供養したといいます▼安と千葉を一緒に顕彰している碑が、宮城県栗原市の大林寺(だいりんじ)にあり、毎年追悼会が開かれています。数年前に参加したとき、地域の檀家(だんか)や市民、韓国の人たち100人が集いました。地域の中学生が書いた日韓関係の年表が本堂に張られ、安の「東洋平和論」についての講演もありました▼33年前に建てられた顕彰碑には、安が処刑の寸前に千葉に贈った遺墨の文字が刻まれています。碑文では、「日韓両国の永遠の友好を祈念して」と、2人の功績と絆をたたえています▼書いたのは、保守系の現職知事だった故山本壮一郎氏です。のちに「千葉も立派だが、その千葉に終生合掌させた安重根の生きざまも立派だった」と住職に述懐しています。テロリスト視などせず、民族の独立に身をささげた清廉な人物と評価しています。


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