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2014年2月16日(日)

宗派で差別しないで

民主化要求デモから3年

バーレーン 市民ら抗議

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 ペルシャ湾岸の島国バーレーンで2011年以来続いてきた民主化要求デモが、14日で3周年を迎えました。王政統治下で宗派による待遇格差に苦しむ市民らは、その是正を求めて抗議行動を強めています。


地図:バーレーン

 「アラブの春」と呼ばれた中東民主化運動の波を受け、3年前に首都マナマ中心部の真珠広場を数千人が占拠した14日の記念日には、最大野党ウェファクなどの呼びかけに応じたイスラム教シーア派の市民らが、マナマなどで「われわれは決して降伏しない」「ハマド国王を打倒せよ」と声を上げました。

 北部サアルに住む男性アブ・アリさん(34)はロイター通信に対し、「3年たっても平穏にならない。居住地では毎日、若者と治安部隊との衝突がある」と述べています。

 治安部隊はこの日、催涙弾や散弾銃を使ってデモを鎮圧しており、内務省報道官によれば複数のけが人や逮捕者も出ています。デモは16日まで3日連続の予定です。

 バーレーンはイスラム教スンニ派のハマド国王が、人口で多数派のシーア派市民を差別的に統治する産油国。11年の民衆蜂起以降、シーア派市民は平等な住居供給や就職の機会、正当な政治的権利を求めて抗議行動を続けてきました。

 国際人権連盟(FIDH、本部パリ)は、バーレーンではこの3年間で少なくとも89人が治安部隊との衝突で死亡したと発表。「継続中の人権侵害を終わらせるために、直ちに秩序回復の対策を取ること」を政府に要求しています。

 国際人権擁護団体アムネスティ・インターナショナルも13日、デモ参加者への「容赦ない制圧」を強く非難し、暴力的な手段への懸念を表明しています。

 バーレーンはペルシャ湾やアラビア海などをにらむ米第5艦隊の司令部が置かれ、米国の中東戦略の要衝になっています。王制打倒の世論が急激に高まった11年3月には、政府が湾岸協力会議(GCC=サウジアラビアなど6カ国が加盟)に軍・警官の派遣を要請。戦車がデモを制圧するなどの弾圧で、死者を出した経緯があります。(野村説)


 バーレーン 面積は琵琶湖より一回り大きい約758平方キロ。人口136万人。18世紀以来、国王はハリファ家が世襲。立憲君主国で、議会は諮問評議会と下院があり、下院議員は直接選挙で選出。選挙権は21歳以上の男女、被選挙権は30歳以上の男女。1930年代に油田が発見され、石油収入が国家歳入の約70%。1人当たり国民総所得は2万7700ドル(日本は4万8040ドル)。公用語はアラビア語。


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