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2014年2月10日(月)

集団的自衛権・原発・TPP

民主党大会、結論出せず

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 民主党は9日、福島県郡山市で党大会を開き、安倍政権の暴走との「対決姿勢」をうたう「2014年度活動方針」を決め、「福島の再生なくして日本の再生なし」、15年いっせい地方選挙勝利で「民主党の再生、反転攻勢を目指す」などとする「福島宣言」を拍手で採択しました。

 大会で海江田万里代表は、「暴れ馬」となった安倍政権の暴走と「厳しく対峙(たいじ)」すると表明。「与党にすり寄ることは責任野党ではない。安倍政権の暴走に対し、国民の立場に立ち、国民の命、雇用、暮らしを守るためにもう一つの選択肢を示すことこそいま求められる健全野党の姿だ」と述べました。

 「活動方針」は「重要政策を早期に練り上げ」るとしましたが、安倍政権が狙う集団的自衛権行使容認のための解釈改憲や原発再稼働、環太平洋連携協定(TPP)などについては、党としてどう「対峙」するか政策の具体化を先送りしました。「ブラック企業」規制や非正規雇用拡大阻止など、国民の命、雇用、暮らしを守るための具体策は示していません。

 また消費税増税について「4月からは5%から8%に引き上げられます」と活動方針にもりこみ、民主党政権が自公との「3党合意」で強行した消費税増税方針を“既成事実”として国民に押し付ける姿勢を示しました。安倍政権の暴走に対する明確な見解を示さず、「対決」の言葉だけが躍る大会となりました。


対決軸がない“対決姿勢”

 民主党は2014年活動方針で「暴走し始めた安倍・自公政権との対決姿勢」を強調し、9日の党大会で海江田万里代表は「与党にすり寄ることでは責任野党ではない」とあいさつし、2015年のいっせい地方選勝利を目指す「反転攻勢」を掲げました。

 しかし、大会で安倍政権に対する明確な対決軸は何ら示されず、消費税増税、沖縄の辺野古新基地建設、環太平洋連携協定(TPP)などで公約を裏切ったことへの反省もうかがえませんでした。

解釈改憲でも

 安倍晋三首相が、海外で米国とともに戦争するための集団的自衛権行使へ、憲法解釈の見直しの構えを強める中、民主党・北沢俊美安全保障総合調査会長は「まず解釈改憲への反対をはっきりさせたい」とし、今通常国会か党大会までに「見解をまとめる」と表明していました。しかし、大会でも党の見解は示されず先送りに。海江田代表は大会後の記者会見で「(解釈の変更は)慎重に」と述べたものの、「反対」を明確にしませんでした。

 党内には首相在任当時から解釈改憲を容認していた野田佳彦前首相のほか、民主党政権で閣僚を務めた前原誠司元国交相、玄葉光一郎元外相、長島昭久前防衛副大臣など多くの有力議員が解釈改憲に賛成の立場です。

 そもそも民主党は、05年に決定した「憲法提言」のなかの「わが国の安全保障活動に関する四原則」で、国連憲章第51条が定める集団的自衛権や国連集団安全保障活動への積極参加を位置づけています。北沢会長も党大会出席者による「全体セミナー」(8日)で「四原則をスタート台に意見を集約していく基本線を持って議論をしている」と説明しました。

 また違憲立法として批判を浴びた秘密保護法について、「民主主義の基盤を守る」として「廃止」を掲げる一方で、「民主党案の実現を強く求め」ると活動方針に明記。同案は、「秘密」へのアクセスを規制し、処罰対象とする構造や、秘密に関与する国民に対する「適格性確認」(身辺調査)制度を導入するなどの点で、秘密保護法と共通する重大問題をはらんでいます。

態度を先送り

 さらに民主党「活動方針」は、新たに設置した憲法、エネルギー、安全保障、行財政改革、経済連携・農業再生、社会保障の六つの総合調査会と、政策調査活動を「さらに活発化させ、具体的成果を積み上げていく」とうたいます。しかし、解釈改憲のほか原発再稼働、TPPなど、いずれの重要問題でも党としての明確な態度を明示せず“検討課題”へと先送りしています。

 安倍暴走と国民との矛盾が深まる中、大会を前に民主党議員からは「共産党の躍進に学んで対決軸を明確にし、ぶれないことが大事」という声が出る一方、「安倍首相の『責任野党』論に反発は強いものの、自分たちは『与党を経験した野党』であり共産党のようにはなれない」との声も出ていました。

 安倍暴走への対決軸を示すことなく「対決姿勢」を語っただけの大会。国民への“説得力”を持たない姿が浮き彫りにされました。

 (林信誠)


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