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2014年1月29日(水)

長崎・諫早湾 干拓農地

不正入植疑惑の金子前知事ら親族企業

自民 谷川議員側が出資

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 国営諫早湾干拓事業(長崎県諫早市)で、多額の税金を投入して造成した農地に自民党の金子原二郎参院議員(前県知事)と谷川弥一衆院議員の親族企業が入植していたことが発覚してから6年。谷川氏が代表取締役の企業が、この親族企業に出資していたことが28日、本紙の取材で判明。入植への関与を否定してきた両氏の釈明と矛盾することになります。(矢野昌弘)


写真

(写真)百条委員会で証人に質問する堀江県議=2012年4月6日、長崎市

関与否定の釈明と矛盾

 事業の私物化として、問題になったのは農業生産法人の株式会社「T・G・F」の入植です。2007年1月の設立当初、谷川衆院議員の長男が代表取締役(当時)、その妻で金子参院議員の長女が取締役(同)を務めていました。

 疑惑発覚当時、谷川議員はT社について、「(会社が)どこにあるかも分からん」と弁明。自らの関与を否定してきました。

申請前日辞任

 ところが本紙の調べによると、T社の株主の一つ、内装業の「ティーズデザイン」(長崎市)の代表取締役が谷川議員でした。

 谷川議員が代表取締役だったティーズデザイン社は、T社設立のために出資しています。

 出資者として設立に関わりながら、T社の存在を知らないとは考えられません。

 谷川議員は、07年8月29日に第1次安倍内閣で農林水産政務官に就任。その翌日の30日にティーズデザイン社の代表取締役を辞任。

 辞任した翌日の8月31日にT社は干拓地への入植申請を県公社に提出しているのです。

 T社の設立をめぐっては、ティーズデザイン社の他にも谷川建設や谷川商事といった、谷川議員が創業したり、役員だった企業がT社に出資していたことも明らかになっています。

百条委で追及

 T社が入植した経緯をめぐって、長崎県議会では、2011年9月、地方自治法に基づいて設置された百条委員会が行われ、追及が行われました。しかし、百条委員会の証人要請に、金子参院議員と谷川衆院議員は応じず、同委員会は12年7月を最後に休会、昨年末に解散しました。

 この間の百条委員会では、谷川議員が06年に農業法人の設立について県側に相談するなど、農業に強い関心を持っていたことが明らかになりました。

 金子議員についても、日本共産党の堀江ひとみ県議の質問に県職員が「(入植に)応募をしたすべての企業を当時の金子知事も農林部長も実名で把握し、T社が含まれていることも知っていた」と証言。

 農業経験のない即席の法人が、広大な農地に入植できたことへの両議員の関与疑惑は、いっそう深まっています。

 本紙の取材に谷川議員から28日までに回答がありませんでした。


 不正入植疑惑 農業生産法人の株式会社「T・G・F」は国営諫早湾干拓事業で造成した全干拓農地の5%、約32ヘクタールの農地に入植しました。同社をめぐっては、農業の実績がないにもかかわらず、県農業公社の選考で入植企業に選ばれており、県公社による不可解な経営審査などが問題となっています。


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