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2014年1月27日(月)

子ども子育て新制度

「多様化」いうが格差拡大

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 2015年4月から子ども子育て新制度の実施に向け、政府の子ども・子育て会議が議論を進めています。

 新制度では、対象となる施設が増え、施設型保育と地域型保育の二つに分類されます。施設によって基準も別々につくられるため、格差が生まれてしまいます。

 施設型保育となるのは、保育所、幼稚園と、新たに導入する「認定こども園」です。保育所以外は利用者と施設が直接契約します。

増設抑制狙う

 認定こども園について政府は、幼稚園と保育所の両方の機能を担うものとして押し出しています。しかし、保育所も「養護及び教育を一体的に行う」(保育所保育指針総則)と定められ、幼児期の保育と教育は一体的なものとして行われています。認定こども園だけを押し出す必要はありません。

 市町村による保育の実施責任が書かれた児童福祉法24条1項で規定されているのは保育所だけで、それ以外の施設や地域型保育においては、市町村は直接的な責任は負いません。認定こども園を推進することによって、結局、新規保育所の増設を抑制することが狙いです。

 地域型保育は、これまで公費補助の対象外であった事業や施設を給付枠に入れたもので、▽0〜2歳を対象とした「小規模保育」(6〜19人)、▽個人の家で3人程度の子どもの保育を行う「家庭的保育」、▽保育者が個人宅に出向いて保育する「居宅訪問型保育」(ベビーシッター)、▽企業による「事業所内保育」が含まれます。

 地域型保育の基準は市町村がつくります。人員は国の基準に従いますが、それ以外の面積は市町村が決めるため、市町村によって低い基準が認定されるおそれがあります。

無資格者でも

 人員基準についても、保育所分園型(A型)、保育ママグループ型(C型)、その中間型(B型)に大別されます。B型の職員配置は半数が保育士資格を持っていればよいとしています。家庭的保育についても、市町村研修を終了したものであれば保育士資格の有無は関係ありません。

 特に死亡事故の多い0〜2歳児を対象とする小規模保育の認可基準に対して遺族団体などから批判の声が上がっており、全国保育団体連絡会は「保育士資格の規制緩和は、子どもの命に関わる大問題で認めることはできない」と反対しています。厚労省調査では、有資格者の少ない認可外保育施設での死亡事故が認可保育所の2倍発生しています。

 施設を「多様化」して増やしても、基準を引き下げ、格差を拡大するのでは、安心・安全な保育を求める願いには応えられません。(下渕雅史)

図:子ども子育て新制度

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