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2014年1月27日(月)

きょうの潮流

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 黒々とした壁に顔は埋もれ、浮き出た背骨が悲しみを物語る「酷烈」。絶望を前に、黒壁をかきむしる背中を描いた「傷壁」。一枚一枚の絵が、闇のなかから不条理をあぶりだします▼福島・白河市にあるアウシュヴィッツ平和博物館。そこでいま、人間社会の理不尽さを描いてきた増田常徳さんの絵が展示されています。増田さんは、ナチスによるホロコースト(ユダヤ人大量虐殺)の現場を訪ね歩き、恐怖と人間への尊厳を突きつけられました▼終戦の1945年のきょう、ソ連軍によってアウシュヴィッツ強制収容所は解放されました。生存者は数千人。子どもたちをふくむ、110万ともいわれる人間の命が、この悪魔の施設で絶たれました▼戦後、ドイツはみずから犯した罪と向き合ってきました。先日も88歳になる元ナチス親衛隊の男が住民虐殺に加担したと、起訴されています。「過去に目を閉ざす者は、未来にたいしても盲目になる」(ヴァイツゼッカー大統領)▼解放60周年のときには、当時のケーラー大統領が国民に呼びかけています。「われわれには、ナチス・ドイツが与えたすべての苦しみと、その原因について、記憶を風化させない責任がある。その責任に終わりはない」▼ドイツはいま欧州連合のなかで中心的な役割を果たしています。他方で政権が先頭に立ち、アジアの国々への侵略を美化し、罪を反省せず、いまだに周りと信頼関係を築けない日本。命や平和の尊さを教える歴史から学べない国に未来はありません。


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