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2014年1月20日(月)

核兵器廃絶へ 国連総会第1委議長に聞く

イブラヒム・ダバシさん

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 第68回国連総会で、軍縮・国際安全保障問題を扱う第1委員会の議長を務めたリビアのイブラヒム・ダバシ国連大使に、核兵器廃絶をめぐる情勢や市民社会の運動の役割について聞きました。(ニューヨーク=島田峰隆 写真も)


圧力強める国際社会

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(写真)イブラヒム・ダバシさん

 昨年の国連総会で最も重要だった出来事は、核軍縮に関するハイレベル会合の開催と核兵器禁止条約の交渉開始を求める諸決議の採択です。第1委員会では「核兵器の人道上の影響に関する共同声明」が125カ国の連名で発表されました。

脅威に認識

 非政府組織(NGO)など市民社会の運動のおかげで、核兵器の脅威についての国際社会の認識が高まっています。核兵器保有国に放棄を迫ることは容易な課題ではありませんが、全面廃絶への道筋をつけるよう求める圧力が強まっていることは、この間の主要な進展だと思います。

 昨年、日本原水協の代表団から「核兵器全面禁止のアピール」署名(新アピール署名)を受け取りました。それらは今、国連事務総長や軍縮担当の部局に渡されています。

 NGOが提出する署名や意見表明は重要な役割を持っており、彼らの活動に感謝しています。核兵器の問題で事務総長や国連の担当者が発言する際には、常にNGOからの意見を念頭に置いています。公式、非公式の国際会議での発言や資料の発表などを通じて、NGOが核兵器廃絶へますます役割を果たすことを望みます。

 核兵器禁止条約の交渉開始やジュネーブ軍縮会議の再活性化などを求める諸決議が、今後、具体的な動きとして実を結ぶことを願っています。核兵器は、保有国が主張するような“安全保障に役立つもの”ではなく、国際社会と地球そのものにとって本当の脅威であり、一刻も早く廃絶しなければならないという点で国際社会が合意できることを望みます。

 核兵器廃絶の分野では、非同盟諸国が毎年、国連総会に決議を提出し、重要な役割を果たしています。国連加盟国の3分の2以上を占める組織が国際政治の舞台で圧力をかけていることは大切です。

約束に責任

 残念ながら非同盟諸国のなかに、核兵器保有国に仲間入りしようとしている国がある点は問題です。しかし、いかなるものであれ地球上に核兵器があってはならないということが、非同盟諸国の出発点です。

 2010年の核不拡散条約(NPT)再検討会議は、核兵器のない世界を実現するためにすべての国が必要な枠組みをつくる特別な取り組みを行うことを確認しました。来年の再検討会議で、核兵器保有国はこの約束にこたえる責任があります。

 特に前回の再検討会議で合意された、中東の非核化を目指す国際会議が、イスラエルの消極姿勢によっていまだに実現していないことは重大な問題です。来年の再検討会議へ向けて、この国際会議を実現させるようにしなければなりません。

 問題の起きやすい中東で非核化地帯が実現したとなれば、それは世界を励まし、核兵器保有国に対して廃絶へさらに行動するよう迫る動きになるでしょう。

 イブラヒム・ダバシ氏 1950年2月、リビア北西部サブラタ生まれ。75年に外務省入省。駐ドイツ大使のほか、外務省の非同盟運動局事務局長などを歴任。2013年7月から国連リビア常駐代表部大使。国連代表部次席大使だった11年2月、民主化を求める国民を弾圧するカダフィ政権を批判し、離反を表明しました。


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