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2014年1月15日(水)

福島原発生業訴訟

東電過失の有無 審理へ

福島地裁裁判長明言 原告側「大きな一歩」

“大地汚された怒り…過ち認めて”

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 国と東京電力に原状回復と損害賠償を求めた「生業(なりわい)を返せ、地域を返せ!」福島原発訴訟第4回口頭弁論が14日、福島地裁(潮見直之裁判長)で開かれました。


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(写真)法廷に入る原告団=14日、福島地裁前

 争点の一つは、東電の過失の有無を審理するかどうか。被告は原子力損害賠償法が過失を要件としていないことを理由に審理すべきでないと主張。原告は同法が民法の適用を排除するものではないこと、民法の損害賠償を求めていることから審理すべきと主張していました。

 この日、裁判長は過失の審理も含めるべきだと明言。全国各地裁で同様の訴訟が行われている中で過失を審理対象にしたのは初めて。原告弁護団は「この訴訟の本質にかかわることで大きな一歩」と評価しました。

 もう一つの争点は、前回、津波に関するシミュレーション(模擬実験)結果や津波安全評価に関する文書の提出を求める決定をしましたが、東電がこれを拒否したこと。この日、原告弁護団は「全交流電源喪失を予見していたのに対策を取らなかった過失を立証するうえで欠かせない」と主張、即時開示を求めました。

 裁判長は「所持者が提出しないと回答した以上、裁判所として当否を述べるべきでない」として、判断を保留。原告側はこれに強く抗議しました。

 この日、原告団は阿部哲也さん、福田祐司さん、大内秀夫さんが意見陳述しました。

 ナシをメーンに、モモ、リンゴ合わせて1・5ヘクタールを栽培している福島市の阿部さんは、原発事故後、福島県産農作物の消費が激減したことにふれ、「母なる大地を汚された怒りはどこにぶつければよいのでしょうか。東電と国は過ちを認め、責任を明確にし、私たちの主張に耳を傾けるべきです」と陳述しました。

 福島第1原発から4・6キロの双葉町で会社を経営してきた福田さんは「自分の家に帰るのにも、見知らぬ人に身分証明を見せ、国から許可をもらわなければならない、この屈辱がわかりますか。事故の前にあったものすべてを元に戻してください」と訴えました。

 1975年に福島第2原発設置許可取り消し訴訟の原告になり最高裁まで争い、敗訴した大内さんは「40年前から裁判の中で指摘し続けた危険な事態が、今回の原発事故で現実化した」と陳述。「私たちは今度こそ絶対に勝ちます。この地域で生きていくために未来の子孫のために私の人生の大仕事だと思ってこの裁判の原告になっています」と訴えました。


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