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2014年1月10日(金)

うがい薬の保険外し 国民皆保険脅かす

医療費削減先にありき

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 安倍内閣が来年度予算で、うがい薬のみの処方を保険対象外とする方針を打ち出したことについて、中央社会保険医療協議会で反対意見が相次ぎ、決定できない異例の事態のまま越年しました。医療費削減がねらいの「うがい薬の保険外し」は国民の健康はもちろん国民皆保険制度を脅かすものであり、削減先にありきで進めることは大問題です。


 うがい薬の保険外しは昨年末の診療報酬改定率の財務・厚労大臣折衝(2013年12月20日)で決められました。14年度に国費61億円の削減を見込んでいます。

 昨年末の中医協総会では、日本医師会の代表が「公的医療保険の給付範囲の縮小であり、国民皆保険を崩壊させる突破口、“アリの一穴”になる」として反対しました。健康保険組合の代表からも、保険外しの根拠となるデータを示すよう要求が出され、再検討することになりました。

 全国保険医団体連合会は「一連の治療行為の中で処方されている薬剤は保険診療で認めるべき。経済優先で保険給付範囲を縮小させる予算案には反対」と批判しています。

 「うがい薬の保険外し」は、民主党政権下の行政刷新会議や安倍政権下の行政改革推進会議で「市販薬類似薬については保険給付の対象外とすべき」だとして財界代表らが求めているものです。

 厚労省はこれまで、医療費削減ありきで市販薬と類似すると判断した医薬品について、保険外しを進めてきました。12年度の診療報酬改定では、ビタミン薬について「栄養補給目的」での処方は保険外とし、医療費ベースで約160億円を削減したとしています。

 しかし、市販薬に類似薬があるからといって保険給付から外す理由にはなりません。

 医師が薬を出すのは治療行為であり、うがい薬によって重病防止につながることから考えても保険から外す理由はまったくありません。歯科医からは、抜歯後の保護や感染対策のためうがい薬を処方することがあるとの指摘も出されています。

 国民の健康をないがしろにし、国民皆保険制度を空洞化させる保険外しは撤回以外にありません。 (深山直人)


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