「しんぶん赤旗」
日本共産党
メール

申し込み記者募集・見学会主張とコラム電話相談キーワードPRグッズ
日本共産党しんぶん赤旗前頁に戻る

2014年1月5日(日)

新東名前倒し開通 突貫作業で故障続出

中日本高速工事関係者が証言

8月の予定→直前変更で4月に

このエントリーをはてなブックマークに追加 Yahoo!ブックマークに登録 mixiチェック

 中日本高速道路(本社・名古屋市)が、2012年4月開通の新東名高速道路建設をめぐり、当初は同年8月だった開通計画を急きょ前倒ししたために現場では作業計画の大幅な変更を余儀なくされ、開通後、初期的なトラブルが多発していたことが4日、関係者の証言などでわかりました。同社は同年12月には中央自動車道の笹子トンネルの天井板崩落による死亡事故を起こしています。(矢野昌弘)


地図

 新東名高速道路は、御殿場(静岡県御殿場市)―三ケ日(浜松市北区)間の約162キロが、12年4月14日に開通しました。

 この区間について中日本高速は当初、「2012年初夏の開通を目指(す)」としてきました。

 ところが、12年1月27日に金子剛一社長が、2カ月半後の4月に前倒しで開通することを突然、発表しました。

 新東名の工事関係者は「テレビで開通日の前倒しを知って、工事関係者みんなが驚いていた。社長の会見後、夜間工事が行われるようになり、工事と同時並行で初期点検をする突貫作業だった」と語ります。

 中日本高速が開通を前倒したのは、次のような理由だったといいます。「同じ年にある東京スカイツリーの開業(5月)とロンドンオリンピック開幕(7月)の話題に、新東名の開通を埋没させないため、それに先立つ4月にするという話だった」

 こうした突貫作業の結果、新東名では施工不良や調整が不十分なために初期不良が多数あったといいます。

 トンネル内の照明が点灯しなかったり、本線を監視するカメラやモニターの不調など「ありえないようなトラブルが続発した」と、工事関係者はいいます。故障を開通前に把握しながら、見切り発車で、開通後に修理したものもあったといいます。

 こうした状況になったにもかかわらず、初期不良や施工不良への対応は、請負企業の責任とされました。

 開通の前倒しについて、本紙の取材に中日本高速は「社長の会見で工事関係者に初めて伝えた」と認めた上で「進ちょく状況を精査して判断したので、無理のない開通だった」としています。

 工事関係者は「新東名に限らず、最近の中日本高速の工事は、工期があってないようなもの。工期短縮のために工事の質や入念な点検を犠牲にしてはいけない」と語ります。


表

見本紙 購読 ページの上にもどる
日本共産党 (c)日本共産党中央委員会 ご利用にあたって