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2013年12月28日(土)

軽自動車増税 軽くない負担

大手は喜び “庶民の足”苦境

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 一家に1台―。いまや“庶民の足”となった軽自動車。2014年度税制改正で、「軽自動車税」(地方税)が15年度から1・5倍に増税されます。7200円から1万800円へ。庶民の必需品に、「負担」の足音が…。(遠藤寿人)


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(写真)軽自動車税の増税で好調な軽自動車販売に陰り?=東京都世田谷区

 15年、購入時にかかる「自動車取得税」(地方税)が廃止されます。廃止で減る年間約1900億円の穴埋めに「軽自動車税」が引き上げられることに。

取得税廃止の裏

 「取得税」の廃止は消費税が10%になることで、販売台数の落ち込みを懸念した自動車業界に“配慮”したものといわれます。国際競争にさらされている、大手自動車メーカーの中型・高級車の負担を軽減し後押しするものです。

 軽自動車を主力商品にそろえるスズキの鈴木修会長兼社長は「弱いものいじめだ」と反発。一方、日本自動車工業会(自工会)の豊田章男会長(トヨタ自動車社長)は「自動車ユーザーの税負担が一定程度軽減されることになった」と手放しで喜んでいます。

 自動車業界に詳しいモータージャーナリストは「自工会は軽自動車を守ろうとはいわなかった。トヨタは、この日が来るのを待っていたのではないか」と話します。

 軽自動車市場には老舗のスズキ、ダイハツに加え、ホンダ、三菱、日産などが参入、国内新車販売の約4割を占めます。

 全国軽自動車協会連合会によると2013年3月末現在、軽四輪車の普及台数は100世帯に51・8台。地域別で普及率が高いのは佐賀県、鳥取県、島根県、山形県、長野県の順番。佐賀、鳥取は「100世帯に100台(1世帯に1台)」を超えました。

同業者みんな軽

 佐賀市でプロパンガス販売を営む男性(56)は軽自動車を自家用1台、営業用トラック、ワゴンなど計4台を所有。「同業者はみんな軽ですよ。燃費もいいし、小回りもきいて便利。税金が安いのがよかったのに」といいます。「LP(液化石油)ガスや灯油の値上げでお客も減っている。卸値が上がった分値上げする業者もいる。今度は消費税でしょう。全部自分でかぶれないし…苦しいね」と話します。

 山形県鶴岡市の男性(76)。軽自動車を妻が乗る自家用1台とトラック1台所有。市内から車で35分。山間の豪雪地帯です。「毎日乗るよ。買い物、畑仕事、山遊びや通院。小回りがきくから隣近所みんな軽自動車。年金暮らしだし税金の値上げはこたえるね」と話します。

 東京都足立区で新車販売する70代男性は「確かに軽(自動車)のほうが売れているよ。軽は“庶民の足”。もっとぜいたくな高級車から税金をとってほしい。消費税だって小さい販売店はどうにもならない。もう、貧乏人切り捨てはやめてほしい」と憤ります。


 軽自動車 「排気量660cc以下」の三輪、四輪車の最も小さい、日本にしかない独自規格。改正で軽自動車税は、2015年4月以降に購入された新車を対象に、「自家用乗用車」が年7200円→年1万800円、「営業用貨物」が年3000円→年3800円に増税します。普通車の自動車税(最低2万9500円)に比べ優遇されていると批判されています。


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