2013年12月22日(日)
米大統領 イラン新制裁に反対
核問題“外交で解決可能”
【ワシントン=洞口昇幸】オバマ米大統領は20日、ホワイトハウスで今年最後の記者会見を開き、国連安全保障理事会の常任理事国5カ国とドイツの6カ国がイランとの間で進めている核協議をめぐり、イランに対する新たな制裁に反対する立場を改めて示しました。
通信情報収集は正当化
オバマ氏はイランとの協議の意義について、「10年以上にわたって米国の安全保障上の懸案だった問題が解決する可能性がある」と強調。イランの核兵器開発を外交交渉によって断念させることができるのなら、「それがわれわれがしなければならない方法であり、米国民の選択でもある」と語りました。
米議会内にはイランに対して新たな制裁を準備することが必要だとする声があります。
超党派の有力上院議員は19日、イランが欧米との合意を履行しなかった場合に制裁を拡大することを盛り込んだ法案を提出。オバマ氏は「新制裁法案はまだ必要ない。今は交渉が成功するかどうかを見極める時だ」と主張しました。
米国家安全保障局(NSA)による米国民の電話記録などの通信情報の大規模な収集活動については、運用の一定の見直しに言及したものの、収集活動自体については「撤廃することはできない」と改めて正当化する立場を示しました。
記録・情報を民間が保管し、当局の閲覧には制限・手続きを課すなどの仕組みづくりについて、オバマ氏は「あり得る」と表明。18日に公開されたNSAの改革について提案する有識者らの報告書を数週間にわたって検討し、来年1月に改革案を提示する見通しを示しました。
欧米メディアなどを通してNSAの収集活動を暴露したスノーデン元米中央情報局(CIA)職員については、「米国の情報活動能力と外交に不必要な損害を与えた」と批判しました。