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2013年12月21日(土)

診療報酬改定実質マイナス

政府 増税分補填のみ

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 政府は、来年度予算編成で焦点になっていた医療機関に支払われる診療報酬の改定について、来年4月の消費税率の引き上げに伴う医療機関のコスト増を補填(ほてん)する分を除いて実質的にマイナスとすることを決めました。6年ぶりの実質マイナス改定です。消費税増税と併せて医療機関の経営を直撃し、「医療崩壊」に拍車をかけるものです。

 診療報酬は、医師の人件費などにあたる「本体」部分と、薬などの公定価格にあたる「薬価」部分からなっており、来年が改定時期です。

 20日、麻生副総理兼財務大臣と田村厚生労働大臣が最終調整を行い、本体部分は0・73%引き上げる一方、薬価部分は0・63%引き下げ、全体で0・1%引き上げることを決めました。

 ただこれには消費税増税の補填分として1・36%の引き上げ分が含まれているため実質的には引き下げとなります。

 一方、政府は、診療報酬が実質的に引き下げとなることから、900億円規模の基金を新たに設け、在宅医療の推進などに充てることも決めました。

解説

医療崩壊に反省なし

 安倍政権が診療報酬を実質マイナス改定と決めたことは、自公政権が「構造改革」路線によってつくりだした「医療崩壊」に反省もなく、再び拍車をかけるものです。

 自公政権下の2002年から4回続いたマイナス改定による「医療崩壊」は社会問題になり、民主党政権の過去2回はわずかながらプラス改定となりました。しかし、医療崩壊に歯止めはかかっていないのが実態です。

 しかも今回の改定では、患者に消費税増税を転嫁できない医療機関に増税負担分を診療報酬で補填(ほてん)することになっており、これと併せて大幅引き上げが求められていました。

 ところが、事実上、消費税増税対応分だけにとどめたことは、安心した医療を求める国民の願いに背くものであり、厳しい批判は免れません。

 財務省などは、診療報酬を引き上げれば保険料が上がるとし、消費税増税のときにいっそうの国民負担は増やせないといって診療報酬の引き下げを主張してきました。

 国民負担をいうなら消費税増税こそやめるべきです。日本の窓口負担(現役世代3割)が高すぎるのが問題であり、診療報酬引き上げと窓口負担の大幅引き下げこそ必要です。

 診療報酬は国民が受ける医療の質と量を保障するものであり、低ければよいものではありません。医療への財源投入は雇用創出や経済波及効果も高いものです。医療崩壊を食い止め、地域医療を再生するために抜本的引き上げこそ必要です。(深山直人)


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