「しんぶん赤旗」
日本共産党
メール

申し込み記者募集・見学会主張とコラム電話相談キーワードPRグッズ
日本共産党しんぶん赤旗前頁に戻る

2013年12月15日(日)

ヨルダン川西岸にイスラエル軍駐留

パレスチナが拒否

米国務長官提案に

このエントリーをはてなブックマークに追加 Yahoo!ブックマークに登録 mixiチェック

 【カイロ=小泉大介】ケリー米国務長官は13日、訪問先のイスラエルで会見し、今年7月末に再開した中東和平交渉について「希望は今もある」と述べ、期限である来年4月末までの合意達成は可能との認識を示しました。しかし実際は、米国が提案したイスラエルの安全保障のための措置にパレスチナ側が強く反発するなど、交渉の行方は予断を許さぬ状況が続いています。


 ケリー長官の訪問は今月に入って2回目。12日にパレスチナ自治政府のアッバス議長、13日にイスラエルのネタニヤフ首相と会談し、同長官が前回の会談で両者に示した将来のイスラエルの安全保障措置に関する提案について協議したもようです。

 メディアによると同提案は、イスラエル軍がパレスチナ独立国家樹立後も長期にわたり、パレスチナ領土であるヨルダン川西岸の東部一帯(ヨルダン渓谷)に駐留するというもの。隣国ヨルダン経由で武器や武装勢力が入り込むことを防ぐことが自国の安全保障に欠かせないという、イスラエルのかねてからの主張に米政府が同調した格好です。

 これに対しアッバス議長は12日、中東の衛星テレビで「もし米国がイスラエルの安全を守りたいというなら彼らが駐留したらよい。しかしイスラエルの駐留は受け入れない」と断言しました。この問題に関しては、パレスチナ解放機構(PLO)のアベドラボ事務局長も先に、和平交渉の「完全なる失敗」をもたらすものだと激しく反発していました。

 和平交渉は7月末以降、約20回行われてきましたが、イスラエルが占領地でのユダヤ人入植住宅建設を継続しているため、目立った成果は上がっていません。今回の事態は、入植地に加えてさらに新たな問題が持ち上がったことを意味します。

 米提案に対するパレスチナ側の反発にもかかわらずイスラエルの姿勢は強硬で、同国のスタイニッツ情報相は13日、軍放送で「イスラエルは自らの手で自らの安全を守る。パレスチナは和平を望むのであれば妥協しなければならない」などと述べました。


見本紙 購読 ページの上にもどる
日本共産党 (c)日本共産党中央委員会 ご利用にあたって