「しんぶん赤旗」
日本共産党
メール

申し込み記者募集・見学会主張とコラム電話相談キーワードPRグッズ
日本共産党しんぶん赤旗前頁に戻る

2013年12月11日(水)

シンガポール暴動事件

背景に外国人低賃金

このエントリーをはてなブックマークに追加 Yahoo!ブックマークに登録 mixiチェック

 【ハノイ=松本眞志】シンガポール警察は9日までに、8日夜に同国中心部のインド人街「リトル・インディア」で発生した暴動に関与したとして、ほとんどがインド国籍の27人を逮捕したと発表しました。シンガポールでは外国人労働者の低賃金が社会問題化。暴動が起きたリトル・インディアには、南アジア系住民が多数居住しており、低賃金問題との関連が指摘されています。


 暴動は、インド国籍の男性(33)が同街でバスにはねられて死亡したことがきっかけ。付近にいた400人が暴徒化して警察官300人が出動する事態となりました。同国でこの種の暴動が起きるのは、1969年の華人系とマレー系の住民による衝突以来40年ぶりです。

 暴動が起きた8日は、与党・人民行動党(PAP)が大会を開き、「さまざまな民族、宗教の人々が仲良く暮らす」ことを強調する決議を採択したばかり。リー・シェンロン首相はフェイスブック上で、暴動について「極めて重大な事件」だとして危機感を表明しました。

 シンガポールは、インド人やバングラデシュ人などの南アジア系を含む外国人が人口の3分の1近くを占めています。アジアで大きな経済発展を遂げる一方、それに寄与してきた外国人労働者の平均給与は、シンガポール国民の4分の1から5分の1といわれます。

 昨年、中国人のバス運転手170人が賃金格差の是正や待遇改善を求めてストライキを行いました。外国人労働者は労働組合を結成できないなど法律上の制約があり、裁判所は「違法ストライキ」と判断。関係者4人が起訴され、そのほかは国外追放などの処分を受けました。


 シンガポール 旧英植民地のマレーシアから1965年に分離独立。面積約710平方キロ(鹿児島・奄美大島とほぼ同じ)。人口約540万人。華人系75%、マレー系14%、インド系9%。公用語は英語、中国語、タミル語。1人当たり国民総所得は4万2390ドル。主な産業は製造、運輸・通信、金融。


見本紙 購読 ページの上にもどる
日本共産党 (c)日本共産党中央委員会 ご利用にあたって