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2013年12月5日(木)

エジプト憲法 最終草案提出

社会的公正を拡充

来年にも国民投票 軍権限強化も

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 【カイロ=小泉大介】エジプトで憲法改正の草案づくりを行っていた憲法改正委員会は3日、最終草案をマンスール暫定大統領に提出しました。来年初めにも国民投票に付される見通し。軍によるモルシ前大統領解任(7月)後、移行プロセスの最初の関門で、国民の判断が注目されます。


 憲法改正草案の起草は、モルシ氏解任と同時に現行憲法が停止されたことを受けたもの。改正委員会のムーサ委員長(前アラブ連盟事務局長)は最終草案提出後の記者会見で、「エジプトがさまざまな困難に直面するなか、すべての国民が投票に参加し、賛成票を投じるよう訴える」と述べました。

 同委員長が「社会的公正のための憲法」と名づけた最終草案は、モルシ前政権下の昨年12月に制定されたイスラム色の濃い現行憲法に対し、国の基本制度や市民的・政治的自由、経済的権利などで多くの変更が加えられています。

「男女平等」など

 全247条からなる最終草案は、エジプトの政治システムを「市民権にもとづく民主制」と規定。焦点だったイスラム法(シャリア)の扱いについては「その諸原則を主要な法源とする」との条項が残りましたが、諸原則の規定に関する条項は削除され、さらに宗教政党の設立が禁止されるなど、「政治と宗教の分離」を進めるものとなりました。

 また、現行憲法にはない「男女平等」の条項を設けたことに加え、宗教、社会的地位の違いや、障害者に対する一切の差別を禁止しています。2011年初めの「革命」で倒れたムバラク独裁体制時代には日常茶飯事だった拷問も、「時効なしの犯罪」として厳禁化しました。

 経済面では、「所得累進課税」や「最低賃金」「文化的な生活を保障する年金」などの制度の導入が盛り込まれました。

青年組織が反対

 一方で草案は、軍やその施設に対する直接攻撃が行われた場合は民間人を軍事法廷で裁くことができると明記。さらに今後8年間という期限付きながら、国防相の任命にあたっては、将校から選ぶとともに軍最高評議会の承認を得ることが必要だとする条項や、軍予算を議会の審議対象から外す条項も含まれています。

 こうした軍の権限と影響力を維持・強化する規定には、「ムバラク独裁体制の復活に道を開くものだ」などの批判が上がっており、「革命」を主導した青年組織「4月6日運動」などは、国民投票で反対するよう訴える運動をすでに開始しています。

 今後の移行プロセスについて、暫定大統領が7月に発した「憲法宣言」では、国民投票で改正憲法が承認された場合、まず人民議会(国会)選挙、その後に大統領選挙を実施するとしていました。

 しかし憲法改正委員会の審議では、大統領選挙を先に実施すべきだとの意見が続出。結局、最終草案では順序は明記されず、暫定大統領が国民の意見を聞いて決定するということになりました。


 憲法改正委員会 マンスール暫定大統領が任命。政党、青年組織代表、大学教授、労組幹部、人権・女性団体活動家、イスラム教とキリスト教の指導者、軍と警察幹部など50人で構成。イスラム厳格派の「光の党」も参加。モルシ前大統領の出身母体、イスラム主義組織・ムスリム同胞団は暫定政権と激しく対立しているため不参加。


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